宇宙船の事故で地球に不時着した小さな宇宙人、リルル星人たちはアルプスのふもとの湖に浮かぶ小さな島に、村を作って暮らしていました。 村長の孫娘のメモルは、明るく活発で、ちょっといたずら好きな女の子。毎日友だちのポピット、ルパング、ピーと一緒に、ミミズクのボォボォに乗って森中で遊びまわっています。 ある日、小鳥たちのお母さんを捜しているうちに、メモルとポピットは湖の対岸へ迷い込んでしまいます。そこには見たこともない大きな山荘があって、中からは聞いたこともない不思議な音が流れてきます。美しいその音色に惹かれて、ふたりは部屋の中をのぞき込みました。ところが目の前には、リルル星人の天敵、恐ろしいゴロニャンが!!
初めて地球人の女の子を見たメモルとポピットは、リルル村に帰って皆に話をします。ところが大人たちは、女の子と一緒にいるゴロニャンのことばかりを気にし、メモルたちに二度と山荘へ行かないよう約束させるのです。メモルは女の子に会いに行けなくて、面白くありません。 そんなある日、子供たちの人気者リュックマンが、ゴロニャンに食べられてしまった!という知らせが村を駆けめぐります。メモルたちはリュックマンの復讐を誓い、ゴロニャンの棲むという洞窟に罠をはります。メモルたちの作戦は、果たして…? そして、内緒で山荘へ行ったルパングが見た、ショッキングな現実とは…?
メモルたちが出会った地球人の女の子は、病気で天国へいってしまいました。こんなにすぐお別れするなんて、悲しすぎる!女の子のほほにすがって泣くメモルの涙が、奇跡をおこします。女の子が息をふきかえしたのです!ところが女の子は、奇妙なことをつぶやくのでした。「死んでしまっても、よかったのに…」 マリエルという名のその女の子に会いに行きたくて、メモルたちは「赤いリボンのヘビ」を探します。村の大切なことを決める「綱引き大会」を開くためです。見事「ヘビ」を見つけたメモル、ポピット、ルパング、ピーですが、なんと4人だけで村中の大人たちを相手に綱引きすることに…。メモルたちは、マリエルに会うことを許してもらえるのでしょうか?
マリエルに会えることになったメモルたちは、朝から落ち着きません。ポピットは鏡の前でおめかしし、ルパングとピーは「盗んできた」マリエルのパジャマのボタンを手にそわそわ。メモルは朝ごはんを急いで食べようとして、のどに詰まらせてしまいます。 山荘を訪れたメモルたちに、マリエルは自分のことを話します。小さい時から体が弱く、いつもじっとしていなければならなかったこと。2才でお母さんを亡くしたこと。きびしい家庭教師ペネローペさんのこと。それに、仕事が忙しくてまったく会いに来てくれないお父さんのこと…。「お父様はわたしのことが嫌いだから」と言って泣きだしてしまう、ひとりぼっちのマリエル。メモルはどんな言葉をかけてあげるのでしょう?
マリエルは、生まれてから一度もお腹が空いたことがありませんでした。びっくりするメモルに、リュックマンは「元気がないからおいしく食べられないし、食べられないから元気が出ないんじゃないのかな」と教えてくれます。 「やっぱり食べなきゃダメだ!」 メモルはマリエルに何とか食事をさせようとしますが、マリエルは「病気だから仕方がない」と、食べようとしません。 そんなマリエルは、元気なメモルたちについていくだけで精一杯。メモルを追いかけるネコのジョジョを止めようと、生まれて初めて家の中を走りまわります。すると、マリエルの頬が赤くなって…?
メモルはマリエルに贈り物をすることを思いつきました。機織りの名人ミーサさんに作ってもらったのは、メモル用のポシェットと、メモルがすっぽり入ってしまうほど大きいマリエル用のポシェット。メモルは大きなポシェットをどうやって運ぼうか、困ってしまいます。 いいアイディアをくれたのはリュックマンです。リュックマンに教わったやり方でポシェットを小さく小さくたたむと、メモルはマリエルの山荘へ向かいました。ところが、ボォボォが途中で疲れてしまい、ポシェットを森の中へ落としてしまいます。がっかりするメモル。山荘の使用人ジョルジュに拾われたポシェットは、どうなってしまうのでしょう?
メモルは毎日マリエルの山荘に遊びに行っていました。ある日、メモルとマリエルがピアノを弾いていると、ピアノの弦が切れてしまいます。マリエルは気にしなくていいと言いますが、メモルは不幸になるかもしれないと落ち込みます。その夜、ボォボォが枝から落ちてけがをしてしまいます。ボォボォがいないとマリエルに会いに行けない!これがメモルの不幸だったのでしょうか…。 二人にとって、淋しい日々が続きます。我慢できなくなった二人はそれぞれ、お互いに会うために行動を起こしました。メモルは方向音痴のバオバオに乗って山荘を目指し、マリエルはジョジョと一緒に2階の部屋の窓から山荘を抜け出します。広い森の中で、二人は出会う事ができるのでしょうか?
ある日、メモルはママが染めてくれたお花模様のスカーフをまいて、マリエルのところに行きます。マリエルも、お父様が直に手渡してくれた思い出のペンダントを見せてくれます。青く輝くペンダントをさわらせてもらい、メモルはおおはしゃぎ。光にかざしてくるくる回っているうちに、うっかり窓から落としてしまいました!ペンダントはボォボォの首に引っかかり、ボォボォはそのまま森へ飛んでいき…そしてなんと、「一本杉の女王」という気の荒いタカがペンダントを持って行ってしまいます。 メモル、ポピット、ルパング、ピーはボォボォやバオバオとともに一本杉の女王の巣へ。大切なペンダントを、メモルたちは取り戻せるのでしょうか?
メモルは、マリエルの山荘で初めて目玉焼きを食べ、リルル村の皆に“ポシャン、ジュー!”で簡単にできるその料理を紹介します。ところが、村長に「今まで動物と仲良くやってきたのに、タマゴを食べたいという村人が出てきたらどうする」とたしなめられてしまいます。メモルの乳母のバーバラが木の実を使った目玉焼きを作ってくれましたが、作るのに半日もかかってしまいました。 その時「不可能を可能にするのが科学!」と立ち上がったのは、発明家コロンパスさん。愛しのミーサさんが目玉焼きを作れるように「コロンパスのタマゴ」の発明に挑みます。 徹夜で設計図を書くコロンパスさんの、研究の成果はいかに?
「最近お嬢さまが変なことをなさる原因は、メモルですね」 毎日のように飛んでくるボォボォを「メモル」だと勘違いしたペネローペさんは、ジョルジュに命じてボォボォを撃ち落とそうとします。大きな銃声にショックを受けて、ボォボォは木の穴に引きこもってしまいました。 ボォボォに恐ろしい銃撃を忘れさせようと、メモルたちはリュックマンの知恵を借りて「忘れ草」のお茶を飲ませることにします。ところが、メモルがそれを飲んでしまって大変!さらに忘れ草のお茶やコロンパスさんの機械のせいで、何もかも忘れてしまう人が続々。 「頭の中が、何だか寒いの…」 消えてしまったメモルの記憶を、ポピットとマリエルは元に戻してあげられるのでしょうか?
降り続いていた雨がやみ、木の実集めが一段落したメモルたちは、久しぶりにマリエルを訪ねます。ところが、マリエルは体の具合が良くありません。お父さんからもらったオルゴールを聴きながら「このメロディがお父様の声だったら、病気なんか…」とつぶやきます。 そこでメモルは、風車小屋にしまってあった「立派な箱」を使って、「声のオルゴール」を作ることを思いつきます。「立派な箱」…というのは、実はお魚の缶詰の空き缶なのですが、その中に入ってマリエルのお父さんの声を演じるのは「七色の声の芸人」センチさん。 「マリエル、お父さんだよ…元気かね」 空き缶の中から聞こえる声に、マリエルは…?
マリエルにお父さんの仕事をたずねられて、ルパングは困ってしまいました。ルパングのお父さん、トリローネさんは、実は由緒正しい「泥棒」なのです。メモルのおじいちゃんはリルル村の村長で、ポピットのお父さんは音楽家…自分のお父さんの仕事が恥ずかしくなったルパングは、つい「おまわりさん」ということにしてしまいました。 それを聞いたトリローネさんはカンカン!自分の仕事に誇りを持っているトリローネさんは、マリエルに手紙を届けに行きます。 「拝啓 このたび貴殿のピアノを盗ませていただきたく 明日正午参上いたします 怪盗トリローネ」 そして次の日、予告どおりマリエルの部屋からピアノが消えて…!
リルル村で大事なことを決める時、どうするかおぼえていますか?そう、綱引きをするのです。メモルたちがマリエルを訪ねて行けるようになったのも、綱引き大会のおかげなのです。 さて、リルル村ではまた綱引き大会が開かれることになりました。今回は、村人からこんな「綱引き願い」がでているようです。 「怪盗トリローネは、たまには欠けた皿などを盗んで、村人を楽しませること」「音楽家フォルテンは、音が気に入らなかったとしても、作ったバイオリンを壊すのはやめること」「村長は、子どもが怖がるのでヒゲをそること」… トリローネさんの誇り、フォルテンさんの芸術家魂…、そしてリルル村長自慢のおヒゲは、どうなってしまうのでしょう?
リルル村に、また困ったことが起きてしまいました。音楽家フォルテンさんがバイオリンを弾くと、怪盗トリローネさんの虫歯が痛くなってしまうのです。 トリローネさんは「我が家は先祖代々虫歯を大切にしてきたから、治すつもりはない!フォルテンさんがバイオリンをやめるべきだ」と怒っています。しかし、フォルテンさんは子どもの頃から、大自然と音楽がひとつになれる野外コンサートを夢見てきました。なので、せっかく防音設備の整った立派な音楽堂をコロンパスさんが作ってくれても「音楽をオリに閉じこめるわけにはいかない」と言って、使おうとしません。 もともと親友同士のトリローネさんとフォルテンさん…二人は仲直りできるのでしょうか?
マリエルはメモルに、すてきな提案をしました。ペネローペさんが用事で留守にする間、メモルを山荘に招待するというのです。体の小さなメモルのためにおままごと用のお皿やフォークを用意して、メモル用のパジャマを縫って…マリエルはうきうきしながら準備をします。 いよいよメモルが山荘に泊まりに来る日。ところが、ペネローペさんが仕掛けたテープレコーダーで、メモルとマリエルの会話が録音されてしまいます。そしてメモルは、あくびをしているところを、外で見張っていたジョルジュに見られてしまいます。 「人形が、あくびをしている!」マリエルの部屋にジョルジュが駆け込んできます。メモルはとうとう見つかってしまうのでしょうか…?
マリエルの山荘にお泊まりした翌日…メモルは、マリエルと「白馬の願い岩」に行くことになりました。「願い岩」に水をかけ、会いたい人の名を三度となえると、白い馬がその人のもとへ連れていってくれる…そんな伝説を聞いたマリエルは、お父様に会えるかもしれないと思ったのです。 広い原っぱを、追いかけっこをしながら進む二人。「花って、色があるのね。花って、においがあるのね!」久しぶりに家から出たマリエルは、新鮮な気持ちに…。ところが、願い岩に向かって走るマリエルに、自動車が迫ってきます!マリエルが誰かと遊んでいるのを知り、ペネローペさんが追ってきたのです! マリエルは願い岩に行けるのでしょうか?そしてメモルは…?
ボォボォは夜になると眠くなる変なミミズク。ある日の夕方、メモルたちを乗せて飛びながら、ボォボォは居眠りをしてしまいます。慌ててしがみつくメモルの頭から、とんがり帽子が飛んで森の中へ…大変!とんがり帽子は、リルル星人が命の次に大事にしている物なのに…。 メモルの帽子は、オスカーという男の子に拾われます。ところが、オスカーはそれを宇宙人の物だと信じ、宇宙人さがしを始めてしまいます。さらにオスカーのフィアンセ、グレイスという女の子もあらわれ、マリエルの大切にしているポシェットがどうしても欲しい、とわがままを言い出します。 帽子を取り返すためオスカーの山荘に向かうメモルたち。メモルたちを隠そうとするマリエル。大事なとんがり帽子はメモルの元へ戻るのでしょうか…?
メモルはマリエルに、不思議な笛をプレゼントします。これを使えば、マリエルは誰にも知られずにメモルに合図を送ることができるのです。「メモルはわたしのためにいろんな事をしてくれる…」つぶやくマリエルに、メモルは答えます。「友だちだもん!」でも、マリエルは何だかメモルの役に立ちたいと思うのでした。 一方、オスカーは宇宙人探しをあきらめません。森へ探検に出かけるオスカーを見て、マリエルは彼の夢を叶えてあげたい気持ちと、メモルたちの秘密を守りたい気持ちに挟まれてしまいます…。 メモルたちは、オスカーを森の中で迷わせて、森に入りたくなくなるまでうんと怖がらせることにします。でも、その後が問題。一体、誰がオスカーを森の外へ助け出すのでしょう…?
マリエルは夜、羊を二万三千五百七十八匹も数えたのに、眠れません。どうやら好きな人がいるらしいのです。それがオスカーだと知ったメモルたちは、いいことを思いつきました。 「明日朝六時、ポプラの森で待ちます。 マリエル」 そう書いたテニスボールを、オスカーに届けることにしたのです。 ところが、翌朝ポプラの森にあらわれたのは、グレイスでした。グレイスは、オスカーをとろうとしたと言ってマリエルを責めます。落ち込んで、泣き伏してしまうマリエル。余計なことをしてしまったと悩むメモル…。マリエルを元気づけるにはオスカーに話をしてもらうのが一番なのですが、メモルたちはオスカーの前に姿を見せることができません。さぁ、どうすればいいのでしょう?
今日はマリエルの元に、お父様から手紙が来る日。しかも、今までとは何か違うお手紙らしいのです。メモルは一週間も前から、この日は絶対にそばにいてあげると約束していました。ところが、いつもメモルを乗せてくれるボォボォがなかなかあらわれません。というのも、最近タカの「一本杉の女王」が暴れていて、森の動物たちは皆怖がっているらしいのです。どうしても約束の日のうちにマリエルのところへ行きたいメモルは、やっとやってきたボォボォに乗って飛び立ちました。 しかし、案の定「一本杉の女王」におそわれて、メモルは森の中へ落ちてしまいます。一方、森の中には鳥を撃ちに来たジョルジュとオスカーがいました。森の中に響き渡る銃声…!一体誰が撃たれてしまったのでしょう?
マリエルの山荘に、ある日突然グレイスが訪ねてきます。慌てて冷たい飲み物を用意しようとマリエルが部屋を離れたすきに、グレイスはマリエルの日記を一枚破ってポケットのしまってしまいました。そのページには、なんとメモルのことが書いてあったのです! グレイスはその日記を読んで、マリエルの大事な友だちである「メモル」という人物を、マリエルのボーイフレンドだと思いこんでしまいます。そしてオスカーに、マリエルをあきらめて自分と一緒に町へ戻るよう告げます。 メモルはそれを知って悩みます。「あたしが正体あらわしていいんなら、オスカーに本当のことが言えるんだけどなぁ…」 小さなメモルが大きな地球人の前に姿をさらすのは、とても危ないこと。さぁ、どうすればいいのでしょう…?
ある日メモルは、オスカーから「デート」に誘われました。初めてのデートに、メモルは舞い上がってしまいます。お弁当をたくさん持って、リルル村の皆に見送られて、メモルはポプラの森に向かいました。「今日は君と一緒に、絵を描こうと思うんだ」待っていたオスカーは、メモルにこう提案します。「地球のデートって、並んで絵を描くことだったの…」メモルは小さなキャンバスに向かってつぶやくのでした…。 お昼ご飯も忘れて絵を描くオスカーのもとへ、突然グレイスのお父さんが訪ねてきます。グレイスのお父さんは、メモルが描いた絵をオスカーの絵だと思いこみ、今度出版する童話のさし絵に使おうとします。さて、メモルとオスカーのデートはどうなるの?そして、その童話の作者とは…?
最近マリエルの様子が変。ひどくわがままになって、何だか別人のようなのです。あまりの変わりように、メモルはびっくりしてしまいます。「このままじゃ、もうマリエル…嫌いになっちゃいそう…」メモルはマリエルに、わがままはいけない、と忠告することにします。 ところが、マリエルが突然わがままになったのには、わけがありました。体調が良くなってきたマリエルは、急に町へ帰ることになったのです。それを聞いたメモルは、どうしてもマリエルについていくと言って聞きません。そこへオスカーがやってきて、メモルを町へ連れていくと約束してくれます。大喜びで荷造りを始めるメモル。なぜかリルル村の写真を撮らせて欲しいと言いだすオスカー。オスカーは一体、何を考えているのでしょう?
町へ帰ったマリエルは、サンロアーヌ芸術学院のピアノ科に入ることになりました。ところが、同じクラスにはあのグレイスが!マリエルは初日から、グレイスのいじわるにあってしまいます。授業の時間割は教えてもらえず、食堂では壊れた椅子を用意され…「来るんじゃなかったわ…こんな学校」と泣き崩れるマリエル。そんなマリエルの心の支えは、遠い森にいるメモルと、同じ学院の美術科にいるオスカーだけでした。 一方、マリエルのいない山荘を訪ねたメモルは、マリエルが当分帰って来ないことを知ります。帰りを待ちきれないメモルは、マリエルを追って町へ行くことに決めました。ペネローペさんの車に忍び込み、サンロアーヌを目指すメモル。メモルはマリエルと無事に再会できるのでしょうか…?
人や車が行き交うサンロアーヌの街で、メモルはマリエルを探し、歩き続けます。激しい雨が降り、犬小屋の中で夜を明かすメモル…疲れ果てて眠り込んだメモルは、すぐ近くでマリエルがメモルの名を呼んでいるのに気づきません。 そう、マリエルは、メモルがサンロアーヌに来ていることを知り、街中を探し続けていたのです。同じ街にいるのに、出会えない二人。そのうち、無断で学院を抜け出したり、ジミーという家出少年をかくまったりしたため、マリエルは学院をやめさせられてしまうことになってしまいます。 学院で過ごす最後の日、マリエルは心を込めてピアノを弾きます。この街のどこかにいるメモルに、この曲が届きますように…と。 ピアノの音色…鳩の群れ…夕日を浴びて飛ぶメモル…そして…?
メモルは、サンロアーヌ芸術学院の女子寮でマリエルと一緒に生活することになりました。これからは楽しい毎日になるはず!と、二人はうきうきしていました。 ところが、マリエルは朝から授業に行ってしまい、メモルはずっと部屋に一人っきりの毎日。最初こそ部屋の中を探検したり、お風呂に入ったりと楽しんでいましたが、とうとう退屈してしまいます。「遊んでくれなきゃ絶対イヤ!!」メモルは怒ったり泣いたり、だだをこねてしまいます。 マリエルが遅くなっても部屋に帰ってこられないのには、訳がありました。実は、マリエルは生活がだらしないということで、舎監の先生から毎日6時間のピアノのレッスンを命じられていたのです。そして、それはメモルにも原因があったのです。それを知ったメモルは…?
ある朝メモルが目覚めると、大変なことがおきていました。マリエルが風邪をひいてのどを痛め、声が出なくなってしまっていたのです!心配したメモルは、お医者さんに行こうと勧めます。でもマリエルは、テストが近いので授業を休みたくないと言い、なんとメモルに声の代わりをやってくれるよう頼んだのです。メモルはマリエルのポシェットの中に隠れて、一緒に教室に向かいますが…。 一方リルル村では、ルパングが「メモルがグレイスたちに捕まる!」という不吉な夢を見てしまいました。慌てたルパングやポピットたちは、オスカーの山荘に向かい、電話を使ってメモルの無事を確かめようとします。 メモルは他の人に知られることなく、マリエルの代役ができるのでしょうか…?
明日は、サンロアーヌ芸術学院の生徒の家族を招いて開かれる、年に一度のパーティの日。みんな待ちきれずに準備をしていますが、マリエルだけは一人でピアノを弾いています。マリエルのお父様は仕事で外国に行っており、今年もパーティに来ないのです。沈んだ顔で「少女の祈り」という曲を練習しているマリエルを見て、メモルはマリエルの心の底にある寂しさを感じるのでした。 そんなマリエルを元気づけるため、メモルはぶどうパイの焼き方をマリエルに教えて、二人だけのパーティを開くことにします。おいしそうに焼き上がったパイ…そのにおいにひかれて、ふらりとやって来た奇妙な老人。実はオスカーがマリエルのために連れてきた人なのですが、この人…一体何者なのでしょう?
メモルのいないリルル村では村長が、パイプが折れた、お皿が割れたといっては「メモルに何かあったのでは…」と毎日のようにおろおろしていました。 一方サンロアーヌでは、マリエルがいつものように食事を持ってくると、驚いたことにメモルが「食べたくないの…」と言うのです!いつもと違うメモルに慌てたマリエルは、医務室の先生に相談します。先生の診断は、心のバランスが崩れている、というもの。つまり、メモルはいきなり町に来たことで寂しくなり、リルル村が恋しくなってしまったのです。メモルが元気を出すには、懐かしいリルル村の人たちと会ったり話したりすることが一番なのですが…。 そんなある日、メモルがマリエルの部屋でリルル村を思い出していると、リュックマンの歌声が聞こえてきて…!
サンロアーヌ学院の秋の学園祭で、マリエルのクラスは人形劇を上演することになりました。マリエルの役は、主役のサンロアーヌ姫。しかも、その役にマリエルを推薦したのは、演出に名乗りをあげたグレイスだったのです! 大事な役を引き受けて、マリエルはメモルと一緒に、部屋で毎日練習を重ねます。前回の学園祭でも人形劇をやった、上手なクラスメイトたちに追いつくため…。 ようやくセリフも完璧におぼえ、お姫様の人形をおしとやかに操れるようになったマリエルですが、学院祭も迫ったある日、大変なことがわかります。マリエルが一生懸命練習した劇の台本は、グレイスによってわざと渡された、違う劇の台本だったのです! 度重なるグレイスのひどいいじわるに、マリエルは…そしてメモルは…?
落ち葉注意報が発令される季節…リルル村では、野ブドウが大好きなメモルのために、バーバラが野ブドウを大切に隠していました。誰かに食べられてしまわないよう、気を付けていたのです。ところが、その大切な野ブドウがある日無くなってしまいました。誰がバーバラの気持ちをだいなしにしたのか、村は犯人さがしで大騒ぎ。そしてわかった野ブドウ泥棒は…なんとリュックマンだったのです! そのリュックマンは、野ブドウをリュックに詰めて旅に出ていました。歌をうたいながら、途中で知り合った九官鳥のオハヨー君と共に、サンロアーヌを目指して歩き続けていたのです。 リルル村からサンロアーヌまでは300kmの道のり…リュックマンは、野ブドウをメモルへ届けられるのでしょうか?
朝早く散歩をしていたメモルは、マリエルのクラスメイトのシンシアがバレエの練習をしているのを見かけます。シンシアはバレリーナを目指して、毎日練習しているのです。ある日、シンシアやマリエルとバレエ団の公演を見たメモルは、すっかりバレリーナにあこがれてしまいます。メモルは「リモコンで動く人形」のふりをして、シンシアにバレエを習うことにしました。 ところが、突然シンシアは元気をなくしてしまいました。バレエに打ち込みすぎて勉強がおろそかになり、舎監の先生にバレエを止められてしまったからです。 勉強も大事だけど、バレエもあきらめきれない…。教科書を開いていても、本当はバレエの練習に戻りたくて仕方ないシンシア。メモルとマリエルは、シンシアを元気づけてあげられるのでしょうか?
サンロアーヌ学院の生徒が保護者と面会できる日…マリエルのもとへ、珍しくペネローペさんが訪ねてきます。ちょうどその時、「ペネローペ」という人からマリエルに電話がかかってきました。ニセ「ペネローペ」さんの正体はポピットたち。とうとう、オスカーの山荘の電話を使って、メモルやマリエルと連絡をとっているのがばれてしまったのです。 そんなある日、リルル村長がオスカーの山荘を訪れました。メモルの声が聞きたくて、マリエルに電話をしようとしたのです。ところが電話に出たのはグレイス!何も知らずに、メモルの声を聞かせてくれと頼むリルル村長のもとに、山荘の電話を無断で使う犯人を捕まえるため、刑事が駆けつけ…! リルル村長は、捕まってしまうのでしょうか?
街の近くの森に遊びに行ったメモルは、誰にも見つからないと思い、ついお昼寝をしてしまいます。ところが、目を覚ましたメモルの前には、地球人の男の子が! その男の子の名前はミッシェル。とてもきれいな瞳をしているのですが、実は目が見えないので、メモルを見ても驚かなかったのです。メモルは、何だか不思議な気持ちになります。どうやらミッシェルに恋をしてしまったようなのです!メモルはその森の秘密の芝生で、毎日ミッシェルと会うことにしました。 ある日メモルが待ち合わせ場所の芝生に行くと、ミッシェルがいません。急に病院に呼び出され、目の手術を受けることになったのです。ミッシェルの手術が成功するようにお祈りをする、メモルとマリエルですが…?
秋もすっかり深まりました。マリエルがマフラーを編んでいる隣で、メモルはハトが白い実をくわえているのに気付きます。それは、リルル星原産のパールベリーという実で、遠く北の方の「白鳥の湖」に生えているものでした。メモルはパールベリーを集めに、その湖に通うことにします。 湖のほとりの小屋には、一人のおじいさんとモニカという女の子が住んでいました。モニカはここでずっと、ママが帰ってくるのを待っているのです。白鳥が飛んでくる頃に帰ると約束して、働きに出かけたママを…。 ところが、モニカのおじいちゃんは、とても体の具合が悪いのです。心配になったメモルは、オスカーと一緒に小屋に向かいました。 今年も湖には白鳥がやってきます。モニカのおじいちゃんは…そしてママは?
シンシアは、急用で留守にするお母さんにかわり、生まれたばかりの弟ルーのめんどうを見に、家に帰ることになりました。寮生活の長いシンシアは、弟になついてもらえません。そこでシンシアは、何か弟が喜ぶものを持って帰ろうと考えました。思いついたのは…メモルを借りること!シンシアは、メモルが人形だと信じているのです。 マリエルはメモルの身を心配し、シンシアの頼みを断ります。でもメモルは、弟になつかれないシンシアの気持ちに同情し、シンシアの家に行くことを申し出ました。 さて、シンシアの弟はメモルにとっても弟のような存在。ところが、ルーの体はメモルの何倍もあるのです。とんがり帽子をおしゃぶりにされ、おもちゃを投げつけられ…。メモルは無事に子守ができるのでしょうか?
メモルとマリエルは、教会のバザールに出すポプリを作るため、日曜日にお花を摘みにでかける事にします。ところが、日曜になるとマリエルは、期末試験に備えてピアノの練習をしにいってしまいました。グレイスに負けて欲しくないメモルは、一生懸命練習するマリエルをそっと残して、ジョジョと一緒にお花を探しに行くのでした。 さて、森は昨日降った雨でぬかるんでいます。せっかくお花を見つけたものの、メモルは足を滑らせて木のウロに落ちてしまいます!一方、部屋に戻ってメモルがいない事に気づいたマリエルは、オスカーと一緒に森へ探しに来ます。 再び雨が降ってきて、ウロにはだんだん水がたまってきました。おぼれかけたメモルを、マリエルは探し出せるのでしょうか…?
サンロアーヌ学院の冬休みが近づいてきました。山荘に帰るマリエルと一緒に、久々にメモルもリルル村に帰れるのです。リルル村では、村長がメモルを待ちきれない様子。ポピット、ルパング、ピーたちもマリエルの山荘を見に行きますが…山荘は閉まったまま。マリエルたちが帰ってくる気配はないのです。どうしたのでしょう? 実は、マリエルはリルル村に近いいつものベレヌ村の山荘ではなく、暖かい南のコートダジュールの別荘で冬を過ごすことになってしまったのです。マリエルは、メモルだけでもリルル村に帰そうと、ベレヌ村へ行くシンシアにメモルを託します。ところが、シンシアはグレイスたちに待ちぶせされて、メモルを取りあげられてしまいます! メモルの正体は、ついに知られてしまうのでしょうか…?
メモルはリルル村の皆に「チューインガム」という地球のお菓子をプレゼントします。プーっとふくらむ不思議なガムにポピットやルパングたちは夢中ですが、リルル村長は怒り出してしまいました。「食べ物で遊んだあげく、味がなくなったら捨ててしまうとは…けしからん!」というわけです。 翌日。メモルたちは、買い物に行くオスカーについていく事になりました。メモルは町の生活に慣れているので、ちょっと得意気。見張りをしているから店の中を見学するよう、ポピットたちに勧めます。ところが、メモルがふと気をそらした瞬間、泥棒がポピットたちの隠れているバッグをとっていってしまいます! オスカーとメモルは村中を探します。凍えるような寒さの中…ポピットたちは、無事なのでしょうか?
湖が凍りそうなほど冷え込んだある日、ルパングとピーは大変な物を見つけてしまいました。洞窟に、地球人が乗れるほど大きなボートがあったのです!しかも、リルル村中の大人たちが毎晩その洞窟に集まっている様子…誰かがこの島へ来ているのでしょうか? 実は、そのボートは「マリエルとオスカー号」。リルル村の星祭りに二人を招待するためのものだったのです!大人たちは、メモルがサンロアーヌへ行ってしまった時から、このボートを造り続けていたのです。 いよいよ星祭りの日。マリエルの山荘では、オスカーやグレイスたちを招いてクリスマスパーティが開かれています。メモルたちの合図で、こっそりパーティを抜け出すマリエルとオスカー。湖には、あのボートが待っていて…。
湖もすっかり凍り、「ほほえみがえし」の季節になりました。リルル村では年の終わりに、今年一年の「ありがとう」の気持ちを笑顔でお返しするのです。メモルは、今年あったことを思い出すため、マリエルのところへ向かいます。 一方マリエルは、今年の記念に一脚のイスを作っていました。オスカーも、撮った写真の整理中。メモルは二人を手伝ううちに、一年を振り返るのを忘れてしまいます。次の日、何とペネローペさんが、ジョルジュとマーサに手編みのベストをプレゼント。これは一年間働いてくれた二人への、感謝の気持ちなのです。マリエルがそんなみんなのためにケーキを焼く事にしたので、メモルはまた今年を振り返りそびれてしまいます。 さぁ、「ほほえみがえし」の夜。メモルは、一体誰に笑顔をお返しするのでしょう?
メモルとマリエルはシンシアに招かれて、シンシアの働くペンションに遊びに行く事にしました。ペンションの近くには温泉がわいていて、けがをした動物たちが治しにやってきます。看護婦さんにあこがれているメモルは、動物たちの看護をしようと大はりきり!遅くまで温泉で遊んでしまいます。 その間、ペンションでは大変な事が起きていました。マリエルが熱を出してしまったのです!部屋に帰ってきたメモルは、慌ててペンションの主人を呼んだりオスカーに電話をしたりしますが、夜中の事なので誰も起きてくれません。 そこでメモルは、朝になるまで自分の知っている方法でマリエルの看護をする事にしました。体を温め、薬草を採りにいき、氷を探し…。さて、メモルは、いい看護婦さんになれるでしょうか?
西風の強い日に、ハーモニカが聞こえてきました。風下には、帽子作りのミモザさんの家…リュックマンがミモザさんに聞かせるためにふいていたのです。メモルたちは、ミモザさんがリュックマンの事を「いい人だと思う」というのを聞いて早合点。リュックマンにその言葉を伝えてしまいます。その日からリュックマンは旅人をやめ、ミモザさんをお嫁さんに迎えるために小屋を建て始めます。 ある日、メモルとポピットに、ミモザさんから結婚式で「愛のキューピッド」役をやってほしいという頼みが来ます。ところが、お婿さんは何とガラゴンさん!メモルたちは、ミモザさんが結婚する事を、とてもリュックマンには伝えられませんでした。 やがて、結婚式の日。真実を知ったリュックマンは…。
ポピットは朝早く、お父さんのフォルテンさんと散歩に出かけるのが日課です。ある日、太陽が昇るのを見て、宇宙が大きなカレンダーになっているという事を教わります。その日から、ポピットは落ち葉集めにも参加せず、星空の勉強に没頭するようになりました。地球にいても、リルル星が今何月何日なのかがわかるカレンダーを作ろうとしていたのです。 しかし、フォルテンさんをはじめ他の人たちは、宇宙やリルル星の事など頭にないようにふるまい、ポピットの話をまともに聞こうとしません。誰にもわかってもらえないポピットは、とうとう家を飛び出してしまいました。あわてて探しに行くメモルたち。 皆は忘れてしまったのでしょうか?平和な村作りよりも大切なこと…皆の故郷、リルル星のことを…。
休みも終わりに近づき、マリエルはサンロアーヌの学院に帰る事になりました。マリエルには学院に帰ってもオスカーがいるけれど、メモルはマリエルと離ればなれになってしまうのです。メモルは、マリエルがちっとも寂しそういって怒り出してしまいました。 その頃、リルル村では占い師のマリオンさんが「夏までにリルル星に帰れる」という占い結果を出して、みんなは大騒ぎ。メモルはマリオンさんの占いを信じていたので、マリエルに会えなくなるかと思うと、少し複雑な気持ちです。 マリエルがサンロアーヌへ帰る日になりました。列車の駅へ向かうマリエルとペネローペさんの車を、ものすごいスピードで追いかけてくる車があります。オスカーとグレイスの乗る車です。その時、前から大きなトラックが…!
マリエルとオスカーは、サンロアーヌに戻らず山荘に残ることになりました。グレイスが交通事故のショックで、記憶をなくしてしまったのです。いじわるなグレイスに起きた不幸を喜ぶメモルに、リルル村長は言います。「いじわるな子の不幸を嬉しそうにしているのは、いじわるではないのかね?」 そして、メモルに本当にばちが当たってしまいました。何と、ガラゴンさんがきろうとしていた大きな杉の木が、メモルの家をつぶしてしまう事がわかったのです!メモルは、マリエルやオスカーの知恵を借りに山荘へ向かいますが、二人はグレイスにつきそって病院に行っているところでした。 その夜は強い風が…メモルの大切なおうちは、つぶれてしまうのでしょうか…?
コロンパスさんが、またまた妙な物を発明しました。その名も「心をのぞく葉っぱ」。心穏やかな人がさわると緑色に、不安や悩みがある人がさわると黄色や赤になるのです。メモルはいい事を思いつきました。グレイスに葉っぱをさわってもらえば、病気の原因が何かわかるかもしれない! ところが、グレイスがその葉っぱをさわるときれいな緑色になりました。病気の人の心が、本当に安らぐはずがありません。不思議に思ったメモルが様子を見に行くと、グレイスは一人でピアノを弾いていました。まだ記憶が戻っていないというのに…。 その時、強い風に背中を押され、メモルはグレイスの部屋の中に落ちてしまいます!慌てて人形のふりをするメモルをそっと手にのせ、グレイスが語り出した事とは…?
グレイスが心の底からオスカーを愛していると知ったマリエルは、オスカーと一緒に過ごすことをあきらめるのでした。マリエルは、メモルがいるから寂しくないと言いますが、とてもそうは見えません。メモルはマリエルの本当の気持ちを尋ねることにしました。 メモルがマリエルの部屋に行くと、ちょうどお客さんがマリエルを訪ねてきたところ。一人でいたい気分のマリエルがしぶしぶ出迎えに行くと、何とお客さんは、あのベルナール先生です!先生と山を走り回ったりお花畑ではしゃいだりするうちに、マリエルは気づくのです。「私にはピアノがあったんだ」と…。 晴ればれとした顔で、ベルナール先生の伴奏をするマリエル。でも、なぜ先生はマリエルの山荘を訪れたのでしょう…?
リルル村に大変な事が起きました。リルル村長が、病気で倒れてしまったのです!その病気を治すには輸血しかないのですが、村長の血液型は珍しい「クローバーPQH」型。同じ血液型なのは、旅に出てしまったリュックマンだけなのです。 困ったメモルは、マリエルたちに相談しました。いいアイディアをくれたのはグレイス。リュックマンがいつも吹いているハーモニカの曲を、町のコンサートホールで演奏したのです。曲を聞いたことがあったのは、シンシアでした。スキーで足の骨を折って入院していたシンシアは、毎晩のように聞こえるハーモニカになぐさめられていたというのです。 村長の具合は悪くなっていきます。メモルはリュックマンを見つけることができるのでしょうか?
旅から戻ったリュックマンは、すごい知らせを持っていました。リルル星から迎えの宇宙船が到着し、みんな帰れることになったのです!でも、メモルの心の中は嬉しさ半分、悲しさ半分。リルル星に帰るということは、マリエルとの別れを意味するからです。 一方、メモルとの別れが近いことを知ったマリエルは、ショックで体調を崩してしまいます。リルル星人たちを車で送るオスカーとグレイスは、途中、マリエルの山荘に寄りました。人形劇のふりをして、メモルはマリエルにお別れを言います。メモルは舞台の上で、マリエルはベッドの上で、涙を流すのでした…。 宇宙船はリルル星に向けて飛び立ちました。夜空に消える光…見送ったマリエルは、そのまま倒れてしまいます。そして翌朝…