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葬送のフリーレンのAsroのレビュー・感想・評価

葬送のフリーレン(2023年製作のアニメ)
4.5
【あらすじ】
10年の旅路を終え魔王を倒し世界を救った4人組勇者パーティ。旅の途中で50年に一度降る「半世紀(エーラ)流星群」をみた4人はまた見ようと約束を交わしパーティを解散する。
50年経ち再結集する4人。人間の勇者は死に際の老人になり、主人公のエルフ、フリーレンは寿命が長いため見た目もあまり変わらずにいた。

【星4.5の完成度】
エルフと人間の異種族の寿命の違いによる悲哀の別れは女性向けの海外ドラマや映画ではよくある構造。だが、それをアニメに持ってきてなおかつ、恋愛やドラマチックな展開のエンタメに振らず、異種族の寿命の違いにのみフューチャーし、純文学のように感情を丁寧に追うアニメは新しいと思った。そして完成度が高い。
人間とエルフの時間感覚の違いが主軸になる。

【ヴァイオレット・エヴーガーデンより好き】
雰囲気でヴァイオレット・エヴァーガーデンを思い出す人も多いと思う。
私はこちらの方が好み。エヴァーガーデンはここで泣けという制作側の感情の押し付けがあった。しかしフリーレンはそれが一切ない。感情の流れが無理なく伝わってくる。丁寧繊細なつくり。

【感じたこと】
1000年は軽く生きる長命主であるフリーレンから見た人間はどううつるだろうか。幼なじみが自分よりはるかに早く死んでしまう。かつて親交をともにした仲間たちを看取り続けなければいけない。悲しみをより多く背負い生きていかなければいけない。
この観点でエルフと人間の種族の違いを考えたことがなかった。
長生きは業(カルマ)だ。
エルフからすれば自分だけが早すぎる仲間(人間)の死に立ち会い続けなければいけない。
どうゆう感覚だろうか。
人間でいえば10年生きるごとに友だちが死んでいくということだ。
なかなか辛そうだ。それならそもそも人間と関わるのは嫌だと思ってしまいそう。
まだ1話しかみてないからわからないが、だからこそ人間をより深く知りたいと思ったフリーレンに期待。
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