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六道の悪女たちのkuroereiのレビュー・感想・評価

六道の悪女たち(2023年製作のアニメ)
3.5
原作が10年近く前で物語の大筋がヤンキー成り上がりものなので絵柄と相まって一層古臭く感じるが、突然授かったチート能力に対して「こんなものに頼っちゃダメだ」と奮起したり、悪女に好かれて勝手に形成されるハーレムを拒否してメインヒロインルート一択に絞ってたりと、むしろ現代だからこそ面白い話になってる

主人公の六道は序盤こそ男の子の意地すら突き通せない弱キャラなのだが、回を重ねるごとに歴戦の悪女やヤンキーどもと根性だけで渡り合う熱い漢になっていく
ラスボスが問いかける「善は善、悪は悪として住み分けていく方が幸福」論に対して、自身の成長と悪女を改心させてきた実績で「それでも自分の世界で幸せにしてみせる」と返すのが本当にカッコいい
メインヒロインの乱奈さんが初手で堕としたのに1番難攻不落ってのも良い
暴力にしか喜びを見出せない最凶の悪女はあらゆる局面で主人公側のジョーカーなのに、彼女を前線に立たせる=主人公のポリシーの敗北になるのでおいそれと切れないのだ。ここの話作りは本当に上手い
そしてそんな甘ったるいポリシーを貫く主人公だからこそ大佐や課長や飯沼が命を賭けてくれるし、改心した悪女たちはフラれてもなお仲間になってくれるのだ。どこまでも王道

絵柄やノリの古臭さはどうしようもないしクオリティも高いとは言えないが、そこを一旦乗り切れば結構良作だと思う
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