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新世紀エヴァンゲリオンのほのレビュー・感想・評価

新世紀エヴァンゲリオン(1995年製作のアニメ)
3.6
新劇場版ぜんぶ観たので遡ってみました。
20話くらいまではテンポの良い戦闘シーン、利権のしがらみ、大人でアンニュイな人間関係と台詞、シャレの効いたオチ(ゲンドウと冬月が水に足つけて「ぬるいな」と言うシーンはほんと笑った)のバランスが良くて面白かった。使徒や、その倒し方のバリエーションも豊富で、エヴァが色々な装備をしたり作戦を立てたりするのが楽しい。新劇場版よりも考えすぎてないというか、力が抜けていてある種健康的な感じもすきだった。セル画もすき。何よりキャラデザが良い〜〜

だんだん作画の省エネが目立ってくるけど、手の抜きどころと編集がナイスなのでむしろカッコよく見える。そうエヴァは編集というか構成がとてつもなく上手い…エヴァシリーズのカッコよさや斬新さのポイントはここにあると思う。難解な話でも、キーフレーズのあとに映像でその様子が映ることにやって、何の話をされているのかわかる。熱膨張の回はしょうもないオチまで含めて巧みだった!私は見やすくまとめられたものがすきなのかもしれない…

最後2話は、新劇場版を知らずリアルタイムで見てたらどんな感情で見たらいいか戸惑うであろう突き抜けたものだったけれど、制作が間に合ってない結果ももはや演出に見えてくるからすごい。アニメーションの真髄を感じる!セルをあえて裏返した演出もあったよね…

ただ、同じようなことを繰り返し叫ぶような独白は聞いててしんどい気持ちになった…結局人類補完計画やエヴァは人間の精神世界を描くという目的のオマケにすぎないのだと思ったけど、直接的な表現が多すぎて冷めてしまう部分があった。もっと伝えたいことをフィクションに織り込んだ見せ方の方が私はすき…そう思うと新劇場版はすごくキレイになった

エヴァの、訳わからないことが起こって、登場人物が「〜とは、〜とかいうことか…!」と勝手に理解していく台詞を聞いて、「そういうもんか」と納得せざるを得ない感じ、TENETと似てる。話に追いつくのに必死だけど、その目まぐるしいスピードが意外とクセになる。もし話を追うのも諦めても、映像が圧倒的にカッコいいので頭を空にして観てられてしまう。ちょっと自己満足的な気もするけど、これだけの人を魅了できるのだからオールオッケーなのかも
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