右京

響け!ユーフォニアム2の右京のネタバレレビュー・内容・結末

響け!ユーフォニアム2(2016年製作のアニメ)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

2022/7/31-8/1
終始ギャン泣き。
1期のキャラクターたちのどこか歪みがある部分を深掘りしていく最高のファンサービスが詰まっていた。歪み方もまた、思春期特有の現代病を中心に構成されていて、子供の頃は嫌な思い出だけど大人になればいい思い出になるエピソードへの昇華は涙腺を崩壊させる。特に2年生メンバーの深掘りはかなりよく、この後それを中心にした映画まで出していることを考えると、京アニの策略にまんまとハマっているのがもはや心地よい。
演出も輪をかけたように良くなってきていて、全国大会での演奏を聞かせず、その場での生徒たちの悔し涙も見せない演出は、やり切った生徒たちの心と、来年の勝利に向けての決心を彷彿とさせる。鎧塚が最高のリードで演奏に向かう姿と、それを久美子に言うという何気ない演出は、ここまでこのアニメを見てきた視聴者からしたらたまらなかった。リードはオーボエ奏者の命と言っても過言ではなく、周りに心を開けなかった鎧塚が久美子にそれを報告する姿から、視聴者は登場人物の心の変化を読み取れざるを得ない。
まだまだ回収しきれていないエピソードや新たな伏線もあり、ここからの楽しみを残しつつもしっかりとした〆だった。
また、京アニは最終回前に泣きのクライマックスを持ってきて、最終回はハッピーに終わる演出が多いために今回もそのパターンかと思いきや、最終回ラストでもう一発泣かせに来る追い込みの演出。2期を通してのあすかの心の変化と、それでも大きくは変えられない人間性とのもどかしさや歪みが最大限に表現されていた。
これまで京アニが培ってきたキャラクター演出が最大限に発揮されていたと思う。
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