右京

響け!ユーフォニアムの右京のネタバレレビュー・内容・結末

響け!ユーフォニアム(2015年製作のアニメ)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

2022/7/30-31
エグい。
青春の儚さ、強さと音楽の残酷さをミックスさせた構成がマッチしすぎている。
感動パートは文句の付けようがなく、もはや京アニのこの手の感動への耐性が皆無になっている自分は1話冒頭で泣きそうになった。8話夏祭りのパートなど、青春に軸を置いたパートの作り込みも上手く、花田十輝はこの歳でも成長し続けるのかと思うと恐ろしい。音楽演出のワザと下手に演奏する演出はかなり上手く、オーケストラに造詣のない視聴者にも伝わる程度で、かつわざとらしすぎない塩梅にはこだわりを強く感じた。この演出は特に、3話の合奏シーンと12話の久美子の練習シーンで光っていた。
個人的に1番好きなシーンは11話、滝先生の「あなたがソロを吹きますか?」という問いかけ。正直このセリフにこの物語の全てが詰まっていると思った。青春のもつ時間制約という残酷さと、音楽という実力が全ての世界の残酷さが、それを誰よりも理解しているが目を背けるしかない学生を襲う。このシーンで、作中嫌われキャラとして演出された吉川の心情やフラッシュバックの伏線も回収していて、これが最終回で良かったんじゃないかとまで思った。
一つ言うのであれば、最終回の演出が心許なかった部分があった。この物語において、「演奏を見せる」という演出は不要だと思ったし、なによりも表面的ハッピーエンドも不要だと思ったからだ。石原立也がどういう狙いでこの最終回にしたのかは不明だが、おそらく2期は決定していない段階での最終回だった感じはした。演出的には地区大会まで行ってそうな感じはあったが、それを濁した表現はベタすぎて少し残念に感じた。
最終回、ダメ金で久美子が泣けば☆5どころではなかった気がする。
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