このレビューはネタバレを含みます
まだ終わってないが12話が素晴らしかったので記録しておこう…
今期はけっこういいアニメが多いと思うんだけど、ダントツなのがユーフォだった。
ここまで見てきてモヤモヤしてたのは、シーズン3に限らずユーフォはずっと吹奏楽あるあるの物語で、ブラスやってた人なら「超わかる」な話なんだよなということだった。あるあるを描くならノンフィクションの方がやっぱり強いし、アニメでそれやる意味とは……と、まあすごくナイーブなんだが当初そんなことを考えていた。
でもシーズン3が進むうちに明確に、それでもフィクションとして描く意味はあると思うようになった(まあ当たり前ではあるんだけど)。ここに詳しくは書かないけども、大きな筋の話がありながら、それとは別のしかたで人間が描かれ、複数のそれらが〈連続している〉。ユーフォのその描き方はほんとに上手いと思う。
12話は原作と違う展開だったらしく、「原作クラッシャー」と断じられそうなこのご時世にそれができたのはそれだけですごい。そしてその違う展開がすごい。
(妻さんと一緒に見ているのだが、)先にネタバレを見ていた妻さんに「どうなると思う?」と聞かれ、A展開ならこのアニメすげえ!と思うし、A以外の展開ならまあそうかそうなるか…と思う、と話していたのだが、Aだった。しかもさらに一捻りあった(麗奈の決断)。余談だが奏者1と2は音だけでどっちがどっちか分かった(やはり1のほうがペットを引き立てていて、2はわりと前に出てきていた)。奏者の中の人もそれぞれ担当がいるのかな…?
黒江真由は視聴者にあんま好かれないだろうし実際そういう反応を見かけるが、3年から転校してきた身からすれば気まずさがあるだろうなとずっと思ってて、それに久美子が気づいたのにグッときたし、その気づきは、久美子が言えないでいた「本心」がわかるシーンから振り返っても納得感があった。
妻さんが久美子の進路を予想してて、それは聞いたらもうそれ以外あり得ないと思えるものなんだが、そうなった時の久美子を描いたアニメを見たい。そしてこれも妻さんの受け売りだが、久美子はまじで良すぎる。葛藤も含め、高校生の部長の姿としてできすぎてる。だからこそ本心の叫びは痛切だった、それがなんかつらくてスコア0.1マイナスしてしまったが、でもほんといいアニメだと思う。
見ててよかった。
映画も小説もアニメも、できるだけジャンルも形式も問わず、あらゆるメディアの表現のかたちに触れたい勉強したい、それでじぶんの表現をよくしたい、とこのアニメ見てて改めておもった
*13話リアタイみてスコアを4.9→5.0に。冒頭からずっと泣きそうだった