meguros

X-Men '97のmegurosのネタバレレビュー・内容・結末

X-Men '97(2024年製作のアニメ)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

今後、MCUとのクロスオーバーが期待されるX-MENのアニメ新作ということで偵察的に鑑賞。米国で92〜97年に放送されたアニメ作品「X-MEN」の続編で、プロフェッサーX死亡時点からスタート。彼の遺志でX-MENがマグニートーの手に委ねられたのには驚いたが、人間との共存共栄を模索してなかなか上手くいかない葛藤展開はいつものX-MEN。

ジーンのクローンであるマデリンとサイクロプスの子(ネイサン)がテクノオーガニックウィルス(全身が金属に変わってしまう)に感染し、現代の科学技術では治せないためビショップと共に未来に向かい、ケーブルとして帰ってくる中盤以降からはマルチバースな展開にもなっていく。※ケーブルがジェノーシャの悲劇を食い止めようとして200回も失敗しているという話はまどマギ暁美ほむらと重なった。実写版のジョシュ・ブローリンと声はそっくり。

シリーズの白眉は#5「覚えておけ」。ミュータントの楽園であるジェノーシャがマスターモールドとセンチネルによる襲撃を受け、ガンビットが壮絶な最期を遂げる回だ。恐らくはイスラエルxパレスチナ戦争が意識されているのだろう。この後、人類(マジョリティ)vsミュータント(マイノリティ)の図式が鮮明になる中で、キャプテン・アメリカが公式に支援できないとローグに話す場面は印象的だった(つまり、アメリカはイスラエル支援に周るということ)。※この「ジェノーシャの悲劇」をきっかけに未来では人類とミュータントの戦いが300年続いたとのことで、それをケーブルは食い止めにきていた。

後半はミュータントに対してゼロトレランス作戦を発動するバスチオン(&Mr.シニスター)との戦いに。将来ミュータントに仕事を奪われるかもしれないという恐れだったり、意識の奥底にある差別意識をトリガーに人間を兵器(人間センチネル)として覚醒させる展開は、SNSを駆使した大衆煽動、連邦議事堂襲撃の事件をも想起させる。

バスチオンはガンダム的な惑星落としを画策、さらにはケーブルの左手を吸収してデビル仁のようになったりと凶悪。対するマグニートーも北極から磁力の力で機械を全て止めてしまったり、地球から磁場を奪って電気を全てシャットダウンしたりと最強ミュータントの面目躍如で、vsウルヴァリンでは身体の中の金属を破裂させる等、見せ場たっぷりだった。

ちらっとだが、スパイダーマンやアイアンマン、ドクターストレンジ、ハルク等のMCUキャラクターも。他にもデアデビルやシルバーサムライ、オメガレッドなど毎エピソード今後の登場に期待膨らむ面々が登場。自分は旧アニメ&実写映画シリーズは観ているものの原作は読んでいないため、次々と出てくるキャラクター/ヴィラン/概念が分からず戸惑ったが、virtualGorilla+で1話ずつ解説記事がありこれが本当に役立った。個人的にはナイトクローラーの戦い方がやっぱり1番カッコよくて好き。
meguros

meguros