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悪役令嬢転生おじさんのBremingerのレビュー・感想・評価

悪役令嬢転生おじさん(2025年製作のアニメ)
4.6
今期のダークホース。
悪役令嬢と転生という使い古された要素におじさんをミックスするだけでここまで面白くなるとは。
出オチどころか加速しながら面白くなっていくのはアニメシリーズならではの見応え。

主人公の憲三郎がナイスガイな大人すぎる。
品があって礼儀をわきまえて目の前のことに真摯に対応する、オフの時はガッツリ趣味に時間を充てる、そのおかげで家族との関係もめちゃくちゃ良好と、好きすぎる大人だった。

転生先の悪役令嬢グレイスになってもその礼儀正しさは継続され、悪役令嬢のはずなのにめっちゃ良い方向に転がっていってしまうし、一挙手一投足が華麗すぎるがために周りの人たちの好感度が上がっていくのも頷けるくらい誠実。

乙女ゲーの知識も一応あるのもあってゲームの世界への順応速度も凄まじく、なんとか悪役令嬢を演じようとするのにうまいこと悪役ができないというのもとても愛らしい。
おじさんらしくダジャレは大好きだし、カタカナの名前は覚えづらいと憂いたり、そういえば昔やっていたゲームではと考え込んだりと哀愁があるのも良い。
親目線での成長を見守る過程と社会人目線としての成長を見守る過程を両立していたのもお見事。
ゲームのキャラクターたちもグレイスに影響されて違うルートを歩み出すっていうのも良いし、隠していた個性が全開になるっていうのもまた良い。
父を助けようとゲームにのめり込みながら、お父さんめちゃくちゃゲームの世界でも善人だなと笑ってしまう妻と娘が現実からアシストをしたりする展開もとても好き。

しっかりと学園生活を謳歌しつつ、他のキャラクターの成長を感じながら乙女ゲーの世界を生きる憲三郎は逞しくて頼り甲斐のあるかっこいい理想的な大人の姿で最初から最後まで信頼しかなかった。

OPでのサイダーガール「Choose!!!」はアップテンポでらしさ全開で良かったし、EDは「マツケンサンバ」のカバーで超絶カラフルで体がウッキウキになった。

まだまだ明かされない謎をソッとお出しして1クール締めたのも個人的には良い。
続きが気になるし、原作も読んでみたくなったので導線としては大成功だと思う。

この優しく勉強になる世界の続きを頼みます!
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