
「私は君を喰べに来ました。」 突如現れた⼈⿂の少⼥・汐莉は 海辺の街に独り暮らす⽐名⼦の⼿を取り、優しく語りかける。 ⽐名⼦の持つ⾎⾁は、特別に美味しいという。 それは数多の妖怪を惹きつけるほどに…。 汐莉は、成熟し、最⾼の状態を迎えるまで⽐名⼦を守り“いずれ⾃分が喰べる”と約束する。 ⽐名⼦の胸には 「このひとなら私の願いを叶えられるかもしれない」 という 切なる想いが浮かび―
空虚な日々を過ごしていた八百歳比名子は、早く夏が終わることを望んでいた。ある日、深い海のように透き通った瞳をした少女と出会う。比名子はその少女に対して海に似た印象を覚え、授業の最中も彼女のことを思い浮かべるのだった。その日の下校時、比名子は不意に海の匂いと少女の気配を感じ、上履きのまま海へと向かう。すると海の中から人ならざる者が姿を表し……。
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