ゆず

天晴爛漫!のゆずのレビュー・感想・評価

天晴爛漫!(2020年製作のアニメ)
3.6
20世紀初頭、アメリカに流れ着いたカラクリ作りの天才・天晴(あっぱれ)が、自作の車で大陸横断レースに挑む物語。

私はまあ楽しめたのだが、このアニメにカーレースの面白さを期待すると肩透かしかもしれない。
当初はカーレースに期待して見始めたのだが、主人公が乗るアッパレ号が船を改造したものでなかなかにダサい。「カッコイイ車を乗り回すアニメではない」と、逆に早々に諦めがついたのが良かったのかも。(それ以前にスポーツカーが天晴に似合うはずがない)
レース自体は補給ポイントでの数時間拘束ルールとかのおかげであまりスピード感がない上に、ならず者たちの襲撃でちょくちょく中断する。
ライバルたちとの白熱のレースではなく、共に困難を乗り越え「戦友」となっていく、個性的な仲間たちとの「旅」を楽しむアニメだった。

キャラクターについては満足で、全13話の中でそれなりに掘り下げられてたな。(そのせいでレースシーンが少なかったのかな)主要キャラ全員、制作陣に愛されてるなってなんか分かる。
私のお気に入りはシャーレン。中国系移民で、女性レーサーがいなかった時代にレーサーになることを夢見た少女。カンフー使いでヘソ出しルックだが、「細くない」のがとてもいいと思った。
あとソフィア嬢は荒野に咲いた一輪の可憐な花。

カラクリのことにしか興味がなく、常に数式をブツブツ唱えているような主人公・天晴が、終盤で急に熱くなり出したのが驚いたけど、暴力や理不尽への反抗を描いたシーンってとても好きなので、あの辺りはけっこう面白かった。「嫌だ!」ってだいじ。
あと、毎話冒頭で前回のあらすじを捲し立てながらオープニングに突入するのだが、とても気持ちよくて好きだった。曲もノリがよい。
そのOP直後の提供画面での「小雨爛漫」も好きでした。
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