史実の文士の皆さんのことは脇に置くとして。
とは言うものの当時の世相が含まれてしまう以上、今の道徳で測れないことは理解しつつ…この啄木さんなりの言い分はあるとは思うが、冒頭から好きになりにくい人物だった。
クズ、がらくたも視点によっては価値が見いだされることもある…わけで、これが「石川啄木」だと言われればそれなりに説得力は生じる。
彼なりの正義のためには親友に甘え騙し無実の殺人犯に陥れ振り回すのも魅力的に描けないわけではない。
しかし優しげなキャラデザに誤魔化されるわけにもいかない。
もしかしたらデザインの感触が優しいことが、この啄木さんを逆にわかりにくくしてしまっているのかもしれない。
男装の環夫人が登場し、小説執筆に挫折した辺り〜何をしてもいいけれど死ぬのは許さない〜の辺りからは面白くなってきたけれど、もう物語の終盤…