なんだったっけ

ツルネ ―風舞高校弓道部―のなんだったっけのレビュー・感想・評価

ツルネ ―風舞高校弓道部―(2018年製作のアニメ)
5.0
最終話の表現が本当に美しい

会を保つあの数秒の間とか、中てた時だけ響く見守る者の「よし」の声とか、射場に差し込む夕陽とか。あの時、目にしたものがずっと頭から離れず、弓道のことなんて何も知らないはずなのに涙が出るほど美しい射だったことを思い出す。
辞めていく部員、サボってばかりの練習メニュー、憧れた先輩との交友を悪く言われる始末。弓を持つことができるなら、筋トレも紐もゴムもいくらでも耐えることができた。仲間いてこその高校弓道で、信頼が募っていけばいくほど、強くなる。個人のように思えるのに、ただ引くだけのように見えるのに。

三年生、本当にかっこよかったなあ。私もあんなふうになりたくて、ただひたむきに弓道と自分と仲間と向かい合う姿が羨ましくて。減っていく部員を前に、どうにか部として成り立たせなきゃと必死で、「私だって」という気持ちでいっぱいで。決して見せられる姿ではなかったけれど、私はあの時に見た憧れた先輩たちからもっと、弓道について教わりたかったし話したかった

もう一度、弓を引きたいな
今の私なら未熟で意志が弱かった高校生の時よりも
もっと美しい射形であると思うんだ