このレビューはネタバレを含みます
待望のオビワンドラマ。「シスの復讐」の10年後を描く。
ジェダイの衣とも違う、労働者の服にローブを羽織った浪人然とした新しいオビワン。ユアン・マクレガーの深い皺と、さらに豊かになった髭が、年月をリアルに感じさせる。今まで見たことのない、絶望感と悲哀に満ちたオビワン。隠遁し無抵抗を貫く姿は苦行する雲水のようにも思えるし、初老だが、スタイルのよさと渋さにインディアナ・ジョーンズのようなかっこよさも同時に感じる。
「マンダロリアン」でベビーヨーダが登場したように、今回は幼いレイア姫がバディ。この手(著名キャラの子ども期を登場させる)を繰り返すなら無限にディズニープラスはドラマや短編を生産できるやん。
まあ、賢く皮肉屋でませたお姫様を、キャリー・フィッシャーの面影を感じるヴィヴィアン・ライラ・ブレアが愛らしく演じている。
Twitterでは“スターウォーズのファンには受けはといいかも知れないが、映像作品としてはカット割りや展開、ロケーションなどがよくない”との批評が散見していた。しかしスターウォーズはあくまで現代のおとぎ話。設定がすべてだし、伝説的キャラが躍動しながら物語を新しい記憶を紡げばそれでいいのである(と旧来からのスターウォーズファンとしてやっぱり思う)。
ダースベイダーの、3話で街の無実の市民を殺めながら、オビワンをおびきだそうとする一連のシーンは強烈でホラー感すらあった。
スターウォーズサーガの中ではメインイベント的なオビワンVSベイダー。プロレスで言えば、レジェンド選手同士の名勝数え歌。メインカード。3話目で邂逅し、ドラマはひとつのピークを迎える(^^) ワンサイドゲームでベイダーの圧勝。ということは6話は再決闘で、この後のストーリーはそこまでにいかにオビワンが復活していくのかという過程を描くのかもしれない。傷つき年老いたオビワン再生をサポートするためにクワイ・ガン・ジンのリアム・ニーソンが霊として登場か?いやサミュエル・L・ジャクソンのメイス・ウィンドゥがサプライズ再登板か?カンフー映画やロッキーみたいなベタな展開だが、そう考えると6話設定はちょうどいいかも。
モーゼス・イングラムが演じる、新たな敵キャラ・サードシスターは、功名心が高く残忍さが売りだが、危うさやむしろ真っ直ぐさも感じる。蔑まされてきた中での上昇志向の強さがだれよりもシス的。しかしモーゼスへの誹謗中傷は意味わからん。キャラの我儘さぶりや悪どさぶりが引き起こした悪意なのか?
正直、「消費されるスターウォーズ」という思いや、中には間延び的な展開もあるが、iPhoneみたく毎年新しいドラマが製作されて配信され、やっぱり観てしまうのだろう。この後控えるのは「アソーカ」と「マンダロリアン3」…。
しかし新しい映画版(エピソード1以前の時代設定?)が再開したら、しばらくはドラマ製作は止めて欲しい。でないと、あんまりのスターウォーズ大安売りになってしまう。