オプティマス

オビ=ワン・ケノービのオプティマスのネタバレレビュー・内容・結末

オビ=ワン・ケノービ(2021年製作のドラマ)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

スターウォーズ エピソード3シスの復讐から10年後の物語です。見た人は知っているかと思いますが、かなり絶望した状態からこの物語がスタートします。
オビワンケノービはプリクエル作品の中でもかなりの重要な人物として位置していました。優しく穏やかでかつ厳しい一面があり、決してダークサイドに転がらないライトサイドの要なような存在でしたが、この作品ではかなり落ちぶれていましたね。ジェダイとかフォースとか何もかも忘れてひっそりと暮らしており、彼の10年を物語っていました。それを含め1話はものすごく好きなエピソードです。プリクエルとは違ってかなり人間味のあるドラマに仕上がっています。ジェダイも正義の番人ではなく普通の人間として映していました。しかしそこから回を重ねドンドン右肩下がりになっていった印象です。近代的な世界で宇宙をシスが取り締まっています。色んな危機が迫る中、意外とすんなり逃げ込んでいる反乱軍を見て少しおかしく思いました。どのキャラにもいえますけども、主にシス軍とダースベイダーが野暮だなと思います。キャラ全体にも言えますが知的なキャラがほとんどいなかったように思います。強いはずのキャラも普通の一般人に手こずっていたり、すぐ捕まえられそうなのに普通に逃がしてしまったり、1話にあった緊張感が話を重ねていく事に全体的に少しずつ薄れていった印象です。
もちろんスターウォーズの醍醐味であるライトセーバーバトルもありました。そこまで多くありませんし、最終話以外は戦うというより受け身なアクションシーンでしたが、まぁまぁ良かったかなと思います。オビワンの動き(アクション)が最初どこかぎこちなくて、少しずつ回を重ねていくことにプリクエル作品のようなテクニカルなアクションに変わっていきました。オビワンが少しずつカンを取り戻す様子もアクションや演技で伝わってきましたし、最後も自信なさげな表情から現役時代のように自信を持って佇んでいる姿など、小さな部分からキャラを感じ取ることが出来まして、ユアンの演技はやはり良かったと思います。なんだかんだラストのライトセーバーバトルは見ていて楽しかったですね。
今回メインであるオビワンとダースベイダーことアナキンとの師弟関係が主として描かれています。重要なシーンで顔をアップさせたり、暗いセットでの対面がありライトセーバーの明かりが顔にかかっている姿など視覚的に二人の間で緊張感が伝わってきます。それほど二人の関係に焦点を当てているのだと監督の気持ちもそこから感じられます。ダースベイダーのマスクの裏には何か引っかかっているような、オビワンの存在が頭から離れていないようでした。オビワンもベイダーを感じるにつれ今まで以上に辛そうな表情をしています。それを見ると2人はライバルでありながら、まだ師弟愛が残っているように捉えられます。最終的な着地点は分かっていますが、レイとカイロレンのようにライトサイドに戻らないかと期待してしまいそうになりますよね。またディエイジングというCGを用いて2人を若返らせた回想シーンもありました。単純に技術が凄いですし、スターウォーズエピソード2をリアルタイムで見ていた私からすると嬉しく懐かしい気持ちになりますよね。さらにダースベイダーが一般人を見境なく殺すシーンがありまして、ベイダーの恐怖をイッキに感じられる良いシーンであったと思います。
オビワンやアナキン以外に注目されていたキャラもいましたね。尋問官のサードシスターに焦点を当てまして裏の主人公的な立ち位置であったと思います。凄く興味深くてオビワンやダースベイダーにこだわる理由もそうですし、彼女の行く末が気になりました。しかしオビ=ワン・ケノービという作品としてみると特に必要性がなかった気がします。逆にオビ=ワン・ケノービではなく全く新しいサードシスターというタイトルで1から作ったほうがいいんじゃないかなと思います。
予告編では全く分かりませんでしたが、レイアが多く登場します。大人レイアは私好きなキャラなんですけれども、子どもレイアはあまり好きではないです。多大な人に影響を及ぼして世界の現状や恐怖を知って今後長官として活躍すると思うのですが、今回のレイアは成長しているようなシーンはあるのですが演技からは感じられませんでした。しかし最終話の最後だけコスチュームから伝わって来ましたし、今までのレイアの面影もありましたので他作品との繋がりは悪くないのかなと思います。

スターウォーズには欠かせない惑星についてですが、やはり視覚的に見とれてしまいますね。CGは圧巻ですしセットデザインも良かったと思います。そして音楽に関してはもう文句はありません。ジョン・ウィリアムズは素晴らしいです。

他にもクライマックスで間延びしすぎていたり、輝いていたサブキャラなど、良いところも悪いところもまだまだたくさん話せますが最終的には楽しく鑑賞することが出来ました。なんだかんだオビワンは好きですし、演じたユアンもかなり好きな俳優なので、それだけでも評価に補正がかかってしまいます笑