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コントが始まるのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

コントが始まる(2021年製作のドラマ)
4.6
1年半前に有名食品メーカーを退職した中浜里穂子(有村架純)は、スナック「アイビス」で働く妹の中浜つむぎ(古川琴音)と同居しながら、ファミレス「メイクシラーズ」でアルバイトをしている。
そのバイト先で里穂子は週に一度ネタ合わせのため来店する売れないお笑いトリオ「マクベス」の3人に興味を持ち、ネットでネタを見たり彼らの事を調べるうちに、いつしか彼らの存在が人生の支えになっていた。
一年後、マクベスの単独ライブに初めて足を運んだ里穂子は、ライブ終了後にマクベスの解散発表を耳にし大きなショックを受ける。
一方、そんなマクベスの3人は自分たちの将来について苦悩していた。
高校の文化祭でコントを演じた高岩春斗(菅田将暉)と美濃輪潤平(仲野太賀)は周囲の反応を伺っていたが、その日の学校中の話題をぷよぷよ日本一に輝いた朝吹瞬太(神木隆之介)にさらわれてしまう。 
誰からも相手にされなかった春斗たちであったが大学の落研にいたお笑い通の担任・真壁権助(鈴木浩介)からはコントを賞賛され、春斗はそれを契機に進路をお笑い芸人と決め、潤平を相方に誘いお笑いコンビ「マクベス」を結成、5年後には瞬太も合流してトリオ編成となった。
しかし現実は厳しく、お笑い番組のオーディションに一度も合格することなくアルバイトの日々が続いていた。
3人には「デビューから10年経ってもブレイクしなければ解散」という約束があり、10年目が近づいたある日、潤平は実家の「美濃輪酒店」を継ぐ事を意識し始め、高校卒業時から付き合っている彼女・岸倉奈津美(芳根京子)から結婚したい素振りを見せられていると告白。 
瞬太からもバイト先の焼き鳥屋「ボギーパット」の店長・安藤友郎(伊武雅刀)から正社員昇格の話を持ち掛けられていると告げられ、ネタ作り担当の春斗は自責の念に駆られる。
瞬太の提案で、「次のネタ見せオーディションに不合格なら解散」と決めオーディションに挑むも無残にも玉砕。
翌日の単独ライブでマクベスは来月の単独ライブをもって解散すると数少ないファンたちに発表する。
ライブ終了後、いつもファミレスで接客してくれる里穂子を客席に見つけた春斗は、帰路につく彼女に声をかけ、この事をきっかけにマクベスの3人と中浜姉妹との交流が始まる。
まず、お笑いコンビ「マクベス」が冒頭にストーリーの内容をヒントにしたショートコントを演じ、本編でコントで語られた伏線を回収するという構成がユニークで絶妙。
折り合いが悪い母親の友利子(西田尚美)に対する反発から、母親が嫌いなEスポーツやお笑いなどをやってきた俊太。
高校の時の憧れの奈津美の気を引くためにお笑い芸人を始めたが、奈津美と晴れて付き合うようになってもお笑い芸人としてはなかなか芽が出ずなかなか彼女にプロポーズ出来ない潤平。
マルチ商法にハマって仕事に失敗した兄の俊春(毎熊克哉)や両親との関係が気まずく、お笑い芸人としてなかなか芽が出ないことに仲間の潤平や俊太に対して申し訳ない引け目を引きずる春斗。
いわれのない責任を同僚に被せられ会社を辞め、お笑いコンビ「マクベス」のコントが生きる支えになっている里穂子。
4人目のマクベスを自任してマクベスのマネージャーとして、ネタ合わせなどに参加していたが、なかなか芽が出ない中でマクベスとの仲がギクシャクしていた楠木(中村倫也)。
順風満帆と言えない人生を生きる若者たちが、マクベスのコントのおかげで一歩踏み出せたり、推しているお笑いコンビ「マクベス」が笑い飛ばしてくれる日々のトラブルのコントで自分の人生の悩み事を乗り越えるきっかけになったり、ひょんな縁が繋がり道が開けたりという、大人の青春群像劇が、菅田将暉や神木隆之介や仲野太賀の男子同士のわちゃわちゃした会話のリアル感、人生に躓いた者に対する優しい目線の脚本、一緒に騒ぎ悩み泣いて笑える大人の青春コメディ群像劇ドラマ。
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