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大豆田とわ子と三人の元夫のmのレビュー・感想・評価

大豆田とわ子と三人の元夫(2021年製作のドラマ)
5.0
最高級の人生賛歌、人間讃歌。

1話。
ジャンルレスな、言葉にできない面白さと豊かさ。脚本が天才の仕事。天才か。
キャスティングがほんと最高。松さんほんと良い。男ですけど松田龍平さんに膝枕されたい人生でしたね。そして「花束みたいな恋をした」に続き瀧内公美さん登場!ありがとう坂元さん!!
主題歌も最高。ナレーションが伊藤沙莉なのも最高、ほんと唯一無二の声。

『シーズン2とシーズン3だ!』で爆笑。

2話。
今週も大傑作。天才か。
今回は岡田将生回。岡田将生史上最高の岡田将生。彼のキャラクターの弱さを描き切る。お見事。
ある台詞が自分の観たタイミングの状況と合致しすぎていて突き刺さって、心の中で泣いた

3話。
鹿太郎の告白を断った女の子とその彼氏とか、ちょっと紋切り型すぎるんじゃないのという所がある。前2話に比べると演出が急に今ひとつになった感が・・・
瀧内さんの扱いで作品の成否が別れるなと思ってたら、脚本の展開で上手く次に繋げたなと思う。さてさて次はどうなるか。瀧内さん、ほんと良い。

4話。
最高。女の友情。恋愛の邪魔さ。無自覚にモテる事の疲れ。
娘が見てるYouTubeがゆうこすのメイク動画で、「なっちゃんはまだ新宿」のなっちゃんがここまで来た!となんだか嬉しくなった。


5話。
あの社長の価値観の気持ち悪さは見事に日本のある部分を撃っていて素晴らしい、ただスカパラの谷中さんの演技力が追いついてない・・
松田龍平がずっと片想いしていたのは誰か。決して名前は出さない、でも分かる。テレビドラマらしからぬ良さ・・

6話。
1話・2話以来の神回。
元夫達の恋愛パートが男に甘いなとは確かに思っていたのだけど、なるほどそれは全てこの餃子会&結末への布石だったのか!恐るべし坂元裕二・・グサグサ刺された・・え、彼女達とはもう・・?彼女達ととわ子の絡み観たかったのだけど・・
この前半だけでも息を呑む素晴らしさ。松田龍平、石橋静河、岡田将生、そして瀧内公美、素晴らしかった。
そして後半、衝撃。
突然の事に絶句して脳が追いつかなかったけど、そう確かに私達の人生でもこうして呆気なく人は・・
松たか子、素晴らしかった。
あの社長と何があったのか、連絡できなかった事、会社の事・・様々な事を置き去りに、まさに『第一部・完』といった感じ。そしてあの人の登場!!これどうなるのよ!?恐るべし坂元裕二・・
あと俺気付いた、このドラマの高橋メアリージュン凄く良い。タフさと社長への感情が垣間見える感じが。
それにしても脚本、天才。

7話。
脚本のセンスと技と人生観、天才・・
演技も素晴らしい。メアリージュンさんはそっち行っちゃうのか・・
そしてオダギリジョー!この人物造形、凄まじいな・・ 

8話。
ヤバい極端人間又はサイコパスだと思ったオダギリジョーが、まさかのウルトラツンデレ孤独不器用くんだった!!!!!ぎゃーーー!!!
一気にオダギリジョーに親しみを持たせる作劇の巧さ。冴えまくり続ける脚本に演出と撮影も応えて、その上松たか子、オダギリジョー、松田龍平の怪物的演技力フル発揮でいよいよヤバい。オダギリジョーはこれが最高傑作になるのでは?

9話。
あまりにも思慮深く美しい大傑作。いよいよ確信してきたけど、これ坂元さん含めて関わった人達全員にとっての最高傑作になるのでは?

最終回。
終わってしまった。ひたすら人生そのものだった・・・滑稽で可笑しくて哀しくて苦くて、美しい。そんじょそこらの映画よりも遥かに映画で、豊潤。
娘の医学部の挿話や同性愛の部分に、坂元さんらスタッフの現代社会への批判的な視座が現れていて凄く良い。
坂元裕二最高傑作だと思う。
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