はやし

昔話法廷『桃太郎』裁判のはやしのレビュー・感想・評価

昔話法廷『桃太郎』裁判(2021年製作のドラマ)
5.0
今までのシリーズの集大成のような、素晴らしい回だったと思う。(シリーズずっと見てる)ひょっとして、最終回??
今までは「誰の視点で見るかで変わるよね、さああなたならどうする?」という流れだった。今回はそこに、社会の歪み、差別、SNS、大衆の声等の要素が、盛り込まれていて判断を下すことの難しさにいっそう焦点が当たっていた。脚本の練り方がすごい。

何しろ、(今までもだったけど)俳優陣が豪華だし、ただ出演なだけじゃなくてその俳優の良さが出るような配役だった。
検事役・天海祐希は、詰め方とか、話の運び方とかが完全に緊急取調室だった。かっこいい。最後の実は…的な展開もきんとりっぽかったと思う。いつきんとりのテーマソングが流れても自然な程。 それに対峙する弁護士役が佐藤浩市だからこそ、対等な裁判として成り立っている。
仲里依紗、赤い肌だからそこに目が行きがちだけど、言葉で大暴れする好きな仲里依紗だった。尋問が終わった後も、ずっと被告側を睨みつけてたり、細かい演技がすごい。
白石佳代子先生も、無自覚に差別感情を持ってる演技がすごいな。つい桃太郎に駆け寄っちゃう感じとか。チャーミング。他の村人の俳優さんは知らない方々だったけど、手のひらを返すような「大衆」として象徴的だった。
仲野太賀も、今回入ってきた新要素に呑まれるどころか、演じ切ってたな。このシリーズで「えっ…まさか」という気持ちになったの初めて。
犬役、大倉孝二なのか、まじか。

教育テレビの子供用(道徳の授業用?)のシリーズだと思うんだけど、毎回とても考えさせられる。まず面白いし。「子供向けだし」と思わずに、見てみるといい事があるなあ。
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