渡邉ホマレ

がんばれ!TEAM NACSの渡邉ホマレのレビュー・感想・評価

がんばれ!TEAM NACS(2021年製作のドラマ)
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気づけばなんと25周年か…。

TEAM NACSというユニットを知らない人でも、メンバーのうち誰か一人は見たことがあるハズのあのチームが、25周年記念企画に向けて動き出す様を追ったドキュメンタリー……ではなく、フェイクドキュメンタリーだ。

昨今さまざまなカタチで制作されるようになり、クオリティが高まってきている気がするこのフェイクドキュメンタリーだけれど、本作の精度は無類と言って過言ではない。

もちろん、最初からある程度の「フェイクっぽさ」は示された上で展開されてはいるのだけれど、フェイクとリアルの境界線は物語の核心へと進むうちに限りなく不透明になっていく。
メンバーそれぞれの独白ややり取りの自然さはもちろんなのだが、周囲の人々やとんでもなく豪華なゲスト陣のやり取りも極めて自然体。どこまでが脚本でどこまでがアドリブなのかすら、ラストにはけっこうどうでもよくなってくるのだ。

『雅楽戦隊ホワイトストーンズ』とか『マッスルボディは傷つかない』とか、あの頃制作されたローカルドラマを懐かしく思い出して、DVDを見返してみることがあるのだけれど、(あれはあれで微笑ましい事この上ないが)技術も演出も演技も、途轍もなくクオリティ的進化を遂げたのだなと感心した。

単純にオモチロいので、フェイクドキュメンタリー好きは必見かも。