きみどり

メア・オブ・イーストタウン/ある殺人事件の真実のきみどりのレビュー・感想・評価

4.0
あらすじにある「全員が顔見知りの平穏な田舎街」がもう閉塞感オブ閉塞感で、観てるだけで息苦しくなる。主人公の家の裏に、元夫が婚約者連れて引っ越してくるような人間関係と土地の狭さよ…。

そこへもってきて、10代で妊娠出産している子がたくさん出てくる。主人公の息子も幼い子どもを遺して薬物中毒で亡くなっているのだからやりきれない。

ひところ話題になった最高裁の中絶違憲判断の件、こういう環境の子たちがますます辛い境遇に陥るんだろうな。中絶できるお金と大人のサポートがある家庭や地域の子は、どこに住んでいようと簡単に州外に行けるから困らないのだと聞く(だから、意外と反対運動が盛り上がらなかったとも)。

とまあ、暗いにもほどがあるミステリですがケイト・ウィンスレットが安定の上手さで、二転三転するプロットも面白くてビンジウォッチしちゃいました。
他の配役も良かったな。死んだ息子の彼女(孫の母親)を演じたソシー・ベーコンはあの若さであのやさぐれ感…お父さんに負けない立派な悪役に成長しそうだわ。
きみどり

きみどり