一番好きなウディアレンの作品は？
—答える前にこれを見て欲しい—
92年にミアファローがウディアレンによる当時7歳の養女ディランへの性的虐待を告発。ウディは虐待を否定し、証拠不十分として訴追されることなく94年に裁判は終了した。
それと並行してウディはミアの養女スンイーとの恋愛関係を発表。当時ウディ57歳、スンイー21歳。ミアの訴えはウディと養女に対する嫉妬からのでっち上げだと反論もした。97年スンイーとウディはヴェネツィアで結婚している。
かなり重たい内容で休み休み観たので観終わるのに時間がかかってしまった。
ウディの映画は好きな作品何本もあるしウディのスキャンダルについてもすごい歳の差で結婚したのは知っていたけどこんなに酷い事になっていたとは。
このドキュメンタリーは主にミアとミア側の人間、そしてディラン氏本人からのインタビューで構成されている。
対してウディ側は取材拒否したらしく自伝などから引用されている。
WASABIの時の広末涼子とリュックベッソンだったり日本でも某J事務所の未成年者に対する性的搾取はずっと続いている根深い問題。
最近ではダウンタウン松ちゃんの件。中高生の頃ダウンタウンのコントで爆笑していたけど問題意識持つ事は無かった。
時代の流れで考え方とか価値観は変わっていくから声をあげる人がいたら再度考えてみたりする事は大切だと思う。
とんねるずは当時から酷いと思ってたよ。面白かったけど。
なぜ性加害をするのか？
私たちがウディをまたは性加害をする著名人を評価して名声や権力・力を与えてしまったから。
性加害時に7歳のディラン氏にウディの言った言葉。
"ジッとしてたらパリで映画に出してあげる"
ウディの映画に出たい野心家の女優に同じような言葉をかけて枕営業受けてたんだろう。
端からミアに言っていた通り子供に興味が無くてと言うより子供すら女であり自分の欲望を満たす道具として見ていたように感じる。
こういう権力者が加害者になり、被害者が声をあげてもそれを握りつぶしたりが出来てしまう社会構造の資本主義・民主主義に限界を感じてしまった。
また他方でミアにも問題が無いわけでは無くて。
自身も歳上男性との結婚を繰り返しているし（1人目の夫フランクシナトラとは29歳差、2人目の夫アンドレプレビンとは16歳差、3人目ウディとは10歳差）次々と15人の実子と養子を育てるのは女優で家を空ける事が多いミアには全員平等に愛情をかけるのは難しかったと思う。
事実養子のうち3人は若いうちに亡くなっている。死因はエイズ・心臓発作（と言われているけど実際はODらしい）・拳銃自殺。
これらを天秤に掛けたとしてもウディは確実にクロだしやった事は許される事では無い。
そして冒頭の質問をディラン氏は投げかけて来る。
一番好きなウディアレンの作品は？
このドキュメンタリーを観て私個人としてはウディの新作・未視聴の作品を観る事は無いと思う。
好きな作品に関しては最後のお別れをするつもりではいるけどたぶんもう以前と違う見方をしてしまうのは確実。
ウディは老い先短いけど死ぬまでこの事を認める事なく追放されてアメリカ以外で映画を撮り続けるのかと思うとやるせない気持ちになる。
