はる

シークレット・インべージョンのはるのレビュー・感想・評価

1.0
これまでMCU作品の中で歴代最低の出来だったと思います。全6話何も面白くなかったです。兎にも角にも脚本がボロボロ。軸がしっかりしていないせいで、全く惹きつけられない。シリアスにしたいという気持ちばかりが先行して基本的な事が出来ていない印象です。もっとグラヴィク側の怒りを明確に。ジモやキルモンガーのようにヴィランに対して視聴者の気持ちを乗せるような工夫をして欲しい。フューリーとスクラルの過去の仕事を描くなり、約束が果たされないことに苛立ちを覚えるなりを徹底的に序盤で描く必要があった。本来はフューリーの贖罪の物語となるべきで、フューリーとグラヴィクは対峙して気持ちをぶつけ合うシーンが欲しかったから、ラストでガイアが行くべきではないし、二人してスーパースクラル人になるという強引な幕引きには笑いもできない。タロスにせよマリア・ヒルにせよこれまでMCUに貢献してきた主要キャラクターの死に対してもっと敬意をはらって欲しかった。ドラマチックにしろとは思わないし、あっさり殺されるのも良い、でもあんなに雑に退場させられるのは流石に頂けない。大統領が無能であるというバッドエンドならそれでも良いがある程度風呂敷を畳む努力の片鱗くらいは見せて欲しい。あんなに投げっぱなしでは鑑賞後どういう気持ちになればいい?

唯一良かったのはオリヴィア・コールマンが演じたソーニャ。彼女が登場するシーンだけはグッと華やかになり心が踊った。ホントにオリヴィア・コールマンが本作に参加してくれて良かったと思う。彼女が居なければ最後まで観きれなかったかもしれない。フューリーというMCUを初期から支えてきたキャラクターがこんな駄作に老害老害と罵られ駆り出された事に同情してしまう。特にサプライズも無いし最初から最後まで鈍重、今後の作品との繋がりは分からないがよっぽどMCUが好きでなければ観なくても良いと感じた。
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