なんかわからないけどやたら泣きました
今のわたしに触れるものがかなりあったようです
滅亡という事象に自我を持たせて存在させているのがこのドラマの個性ですね
滅亡そのものはどうしたってあることだしそれが生きる生きているということの現れなのだけれど確かに「滅亡」の側からすれば自分が在ることで「全ての有るものが無になる」わけだから猛烈に鬱ですよね
その視点に共感するとこの途方もない切なさをどうして耐えられようかと思いソ・イングクの佇まいに胸が痛みます
しかも自分のためにと望めばそれがどんなに些細なことであっても思わぬところに思わぬ厄災が及んでしまうんだからほんと存在の意義も意味も見いだせません
だからいっそ「世界の滅亡」を望むのだけどこれまた自分の望みだからうまくいかないっていう
そんなんじゃひねくれないでいられないですよ
そしてそんなニヤけて嫌味なソ・イングクに出会うのが自分の本心を自分にすら知られたくなくて気づけばずっと周りがどう思うかだけを考えて生きてるパク・ボヨン
自身の誕生日に本心からこの世界の滅亡を願うパク・ボヨンの声を聞いた滅亡はこれ幸いと彼女を訪ね彼女の願いで自分の願いでもある「世界の滅亡」を成し遂げることを契約することから物語が動き出します
パク・ボヨン演じるタク・ドンギョンは世界の滅亡を願っちゃうほど真っ暗闇に突き落とされてるわけなんですけど泣くことを止めたっていうキャラクターなので悲惨なのにオロオロ泣かないし陰鬱にならないので見やすいです
滅亡のほうも心を無くしたっていってるので泣かないんですね
泣くのが得意な韓国人が泣かないのでこっちが泣くしかないしいざ二人が本心からの涙を見せ始めたらさ更に泣くしかないわけです
このねぇ微細に変化していくソ・イングクが素晴らしいのです
説明はほぼされてないし口から出てくるのは相変わらずの憎まれ口なのにどんどん愛が深くなっていってるのがいつの間にかしっかり伝わってるんです
だからあるとこまでいったら彼が喋るだけで泣いちゃうのでした
いいよねぇわたしもソ・イングクに全存在を賭して愛されてみたいよ
傘が無くてもただ走れ
家につくまでただ走れ
必ず帰りつけるから
そうやって生きていけ
と大変お気に入りのドラマになったわけですが文句もありまして
どうにもこの生きている人間がどのような存在よりも上であるっていう姿勢が気に食わないです
神すら人間のために存在するって言い切ってますからね
そういうのは本当に相容れませんな