zomychan

ナイン・パーフェクト・ストレンジャーのzomychanのネタバレレビュー・内容・結末

-

このレビューはネタバレを含みます

高級スパに集う完全に初対面の9人、それぞれ癒されにくる理由を抱えながらさまざまな治療?を通じて変わり者同士でありながら互いの弱さを理解することによって「家族のような」存在として共に時間を過ごすほどになる。
トランクイラムの代表マーシャの罪に対して参加者たちは彼女を責めるようなことは事情聴取で話さない。度を超えている治療でもそれが容認されるほどの参加者の実態の深刻さと寛容さがあった。

物語の中であまり腑に落ちないのは、救われるために薬物の副作用や効果に依存していたところ。臨死体験を治癒の一貫として捉えている時点で倫理的におかしいが、どこか薬物に走らなくてもよいのではと思える何かしらの特権性ももしかしたら自分にあるのかもしれない。また、ナマステから始まって竹林やゴザや剣道などいろいろなカルチャーがミックスされていて若干の混乱があった😂剣道は、単純に対人を想定して叩くところのみを抽出されて使われており、ボクシングとかでもよかったじゃん、と思ってしまう。
物語の大筋では1番の人間の弱さは大切な人を失ってしまったあとに残される孤独や寂しさということなのかな、と。さまざまな苦悩の形が描かれていたけれど、理由がわからない状態や自分にはどうしようもない経緯で大事な人がいなくなったら、人がどう言い訳をしながら生きて行くかみたいなことの総体が描かれていたと私は思う。
zomychan

zomychan