よーすけカサブランカス

ゴッドレス 神の消えた町 シーズン1のよーすけカサブランカスのレビュー・感想・評価

4.8
GODLESSとはいうもののやはりもっとも大きな主題はフェミニズムと父殺しの表裏一体を描くことだろうと思われる。なかでも疑似「父」に追われるロイが実父を失ったインディアンの子に馬のしつけ方を厳しく教える場面はかなり感動的で、一方でこの馬の愛し方は倒すべき父であり悪であるはずのグリフィンからの継承でもあり、終盤にて馬を怪我させた彼と邂逅し、止めを差すよう伝える場面へ繋がる、見事な展開を見ることができる。
最後の籠城戦は銃の扱いに不馴れな人間がいくら有利な陣形をとっても歴戦のガンマン相手にあそこまで戦えるかという疑問はあとから考えれば芽生えては来るが、とにかく西部劇の歴史においてあの描写は類を見ないレベルではないか。さ迷う馬が立てる砂埃に包まれたなかの銃撃なんか美しすぎてため息が出た。
各キャラの魅力も申し分なし。保安官の妹の少しぽっちゃりしたふてぶてしい面構えや、意外に腕か良かったりピュアなところがあって憎めなかったのに悲しい結末を迎えるホワイティ君、お茶目な先住民のおばあちゃん、など。