仮面の大使

ポッサム~愛と運命を盗んだ男~の仮面の大使のレビュー・感想・評価

3.7
 運命を変えるドラマ。

 ならず者のバウ(チョン・イル)は高額報酬がもらえる「ポッサム」の依頼を引き受け、ある女性を誘拐する。実はその女性は王の娘で左議政の次男に嫁いでいたファイン翁主(クォン・ユリ)だった。最悪の出会いをした二人だったが、陰謀から逃れるうちに心を寄せるようになる。そしてこの出会いは幼少期のある出来事によって止まったバウの時間を動かすことになるのだった…。

 そもそも題名の「ポッサム」とはなにかというと、寡婦を布で包み、誘拐を装う形で再婚を実現させる朝鮮の風習らしい。当時、朝鮮では再婚は禁じられていたために流行ったそうだ。

 そんなポッサムという行為で出会うはずがない二人が出会い、恋に落ちていく。ならず者のバウと過ごしていくうちにどんどんたくましくなっていく翁主が良い。

 このドラマの時代は、豊臣秀吉による朝鮮出兵の影響で有力な両班たちが勝手に私兵を持っており、王でさえ容易に手が出せないらしい。王が本当は左議政を追い出したいのに、その軍事力を恐れて、左議政の言いなりになる情けない姿は見ていて辛いものがあった。王になんて頼まれてもなりたくないな、私は。

 なかなかおもしろかったですが、キム・ゲシはもっと悪く描いても良かったかと。韓国ドラマで出てくる悪女が大好物なので、もっと強烈な悪を見せてほしかった。
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