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D.P. -脱走兵追跡官-のsnowのレビュー・感想・評価

D.P. -脱走兵追跡官-(2021年製作のドラマ)
4.3
遅ればせながらやっと鑑賞。

ここまで韓国軍隊内問題を詳細に扱う作品ははじめてらしく、
脱走兵の追跡部隊(D.P.)に配属された新人二等兵のアン・ジュノ (チョン・ヘイン) が、上官兼相棒のハン・ホヨル (ク・ギョファン) とともに、複雑な事情を抱えた脱走兵を追っていくなかで過酷な現実があり軍隊内いじめ、暴力がかなりリアルで苦しかった。絶対逆らえない上下関係、部隊のトップ憲兵大将さえゴリゴリ暴力パワハラ悪しき習慣への問題提起よくわかった。

より背景理解できたFrau記事より
"2014年に起きた「江原道高城郡兵長銃乱射事件」がモチーフになっていると言われていて、22歳の兵長がひどいいじめを機に、同僚5名を射殺、7名を負傷させて逃走し、自殺未遂をしたという衝撃の事件だった。この事件の前には、入隊直後の20歳の一等兵がいじめによる暴行で死亡する「漣川後任兵暴行致死事件」という事件も発覚し、2014年は韓国の軍隊内のいじめや体罰が浮き彫りになった年でもあった。
ドラマ公開前の2021年6月にも、海軍で兵役中だった21歳の一等兵が集団いじめを苦に自殺したニュースが話題になったばかりで、7年経っても何も変わっていないという思いも含め、このドラマは韓国国内で、当初『イカゲーム』以上に話題を集めていた。
実際の追跡官も他の兵士と違い服装も自由、髪を伸ばし、外出できる、スマホ所持可なパラダイス、みんなやりたがるけど、実際に選ばれるのは上層部にコネのある、「お偉いさん」の息子。もちろんそれだけではないでしょうが、そう考えている人は多いと思います。なので、追跡官=お偉いさんの息子=態度が悪い、というイメージ。
軍部のコネについては国会でもずっと問題視されて、2018年には特別扱いを廃止する決議がなされていました。なのに、誰かが反対していたのでしょう、いつまでたってもその後の動きがなかった。ところが『D.P. -脱走兵追跡官-』が公開された途端、すぐに施行され政府は「たまたまこの時期になっただけ」と言っていたが、多くが「あれは絶対にドラマの影響だよね」とあやしんでいます(笑)。
現在、陸軍で追跡官として活動している人は、100人ほどいると言われてるが、来年からは幹部だけがこの任務に就くことになるため、お偉いさんの息子たちのパラダイスもついに終了。"

↑DPの背景にもこんな事情ありだからク・ギョファンのなんかゆるめキャラがなるほどだし、結果特別扱い廃止よい影響にも繋がるのはさすが。

5月に開催された58回百想芸術大賞で
①作品賞
②男性助演賞
チョ・ヒョンチョル(最後の脱走兵チョ・ソクポン役)
③男性新人賞:ク・ギョファン
三冠👏だけありでやっぱり見応えあった。

チョン・ヘインやク・ギョファン、
ソン・ソック目当てながら終盤の脱走兵ソクポンの存在感凄かった。先に鑑賞済みの"ク・ギョンイ"ではマイルド役で同じ人?!驚きながらみてさすがのギャップ!

コンテンツ・プロデューサーユンさん談:
『韓国社会で長年にわたりアンタッチャブルだった軍隊という組織の問題を、ここまで赤裸々に描いたTVドラマは今までなかったと思います。誰もが見て見ぬふりをしてきた暴力構造とそれによる犠牲者の存在、そしてその根本的な原因を複数のエピソードとキャラクターでリアルに描いていることが、多くの韓国人の胸を揺さぶりました。このような作品が堂々と評価されるようになったのは、韓国社会が成熟した証なのではないでしょうか』

隣国のことながら、推し俳優やアイドルが入隊するたびいろいろ心配になるし
こんだけつらい思いもするかもしれないから入隊免除になんかなるとそりゃ非難の対象になるよねとか勉強にもなった。

祝S2も決まった👏
https://www.instagram.com/p/CeM5b9qPcWl/?igshid=YmMyMTA2M2Y=
シーズン2もハン・ジュンヒ監督が演出を務め、作家のキム・ボトンが共同脚本を担当、再びタッグを組む。また、CLIMAX STUDIOは「D.P.」シーズン1と最近世界的に話題となっている「地獄が呼んでいる」を制作し、完成度と作品性を認められている制作会社で、「D.P.」シーズン2の制作も担当する。
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