かじドゥンドゥン

クリスマス・イブのかじドゥンドゥンのレビュー・感想・評価

クリスマス・イブ(1990年製作のドラマ)
3.2
銀行員のユキコは、同僚のツヨシと交際中。女性は家を守るべきだという古い考え方のツヨシは、ユキコが自分の社会的ステータスに惹かれているのではないかと疑っている。一途にツヨシを愛するユキコは、ツヨシのときに身勝手でつれない態度に振りまわされる。

ユキコと同僚のミサキが海外旅行した際に現地と知り合ったクルミと日本で再会し、三人は親しい仲になる。地方から上京し、兄スギサクと同居しながら、デザイン学校に通っているクルミだが、実はツヨシの元交際相手。クルミが仕事にこだわったため、ツヨシに捨てられたのだった。銀行の課長ムラカミと不倫しているミサキが、ツヨシを誘惑して一夜を共にしたり、クルミとツヨシとの関係を煽っておきながら告げ口したりと、場を引っ搔き回す。ユキコが、何かとツヨシのことを相談していたムラカミと男女の関係になり、それがツヨシにバレ、ミサキの嫉妬心を煽りたてる。

それぞれがクリスマス・イヴという特別な日と誰と過ごせるのかという結末に向けて、泥沼化が極限まで進んだ後、クルミはデザイナーとしての才能に見切りをつけ、かといってツヨシと復縁して専業主婦に収まる道も断念し、パターナーという地味だが重要な部署にコンバートし、正社員として働く。ミサキは妻からムラカミを奪い取ることができず、腹いせに自分を安売りして、彼女を密かに想っていたスギサク(クルミの兄)を深く傷つけ、自責の念に苛まれもするが、結局はムラカミの愛人の地位に甘んじる。ユキコは、両親にさんざん反対されながらも、彼女への謝罪と誠実さをまっとうしようというツヨシを信じ、彼と結ばれる。クリスマス・イヴに大雪のため、出張先の北海道から戻れなかったツヨシがようやくユキコと会えたのは、すでに26日だったが、ユキコは、彼を信じて待った二日間、二日間待てたという事実を、けっして忘れない。