ふかい

雨の日のふかいのレビュー・感想・評価

雨の日(2021年製作のドラマ)
4.9
これ以上ない程真っ当な性的マイノリティ達の描き方(配役の面でも完璧)はもちろん、どこまでも緻密に練られた脚本と画作り。

汚れた傘を振り回す主人公の最も美しい瞬間は、どこまでも異性愛規範がまとわりつき、他者に対する理解不足が横行する日常へのシュプレヒコールであり、違和感を感じながらもそれを口に出せずにいる(劇中でも「鈍感が大事」という台詞が出てくる)者達の抑圧からの解放にも見える。

主人公が呟く「ここに虹が出たなら…」という言葉に込められた重層的な意味を推し量るまでもなく、"なかったことにしてきた/されてきた"自分に改めて意識を向ける契機となった。
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