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離婚しようよのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

離婚しようよ(2023年製作のドラマ)
4.7
三世議員の東海林大志(松坂桃李)と国民的俳優の黒澤ゆい(仲里依紗)の夫婦が離婚を決意するも、次々と試練が立ちはだかり――という物語。
大志が過去に起こした女子アナ・三俣(織田梨沙)との不倫騒動を発端に、気持ちが離れてしまったふたり。
ゆいはしょっちゅう問題発言で叩かれて炎上→謝罪がお家芸になりつつある大志のフォローに回ることや姑(竹下景子)との関係に疲れ、大志は人気者のゆいに依存するなかでコンプレックスを抱いていた(当選できたのも、ゆいの存在あってこそだったのだ)。
子どもが生まれれば変わるかもしれない(そして大志の母からのプレッシャーもあり)と不妊治療を続けるもまだ効果はなく、限界を感じたふたりは離婚を決意。
しかし、「CM等の契約が切られる」「選挙で再選するにはゆいの力が必要」と周囲に反対されてしまい、「選挙で当選したら離婚する」という展開になっていく……。
宮藤官九郎と大石静が、共同脚本したヒューマンコメディドラマ。

ボンクラで女好きな世襲議員の東海林大志と気の強い女優の黒澤ゆいが、大志の女子アナ三俣との不倫騒動や度重なる失言をフォローしたり不妊治療などに疲れ果て離婚を決意し、ゆいとパチプロでアーティストの加納恭ニ(錦戸亮)の恋や大志の不倫相手の三俣や野党の幹事長の想田(山本耕史)を交えた選挙戦を通じて、お互いの関係性を見つめ直す離婚劇と政治風刺コメディが絶妙に組み合わさって、奥さんの不満に対して理解出来ずに「気分を害したら謝る」と言ってしまい奥さんに「気分を害したから怒っているの」と怒られたりするなど夫婦喧嘩のあるあるが、松坂桃李の絶妙な受けの演技とキレッキレな仲里依紗のパンチの効いた怒り演技のテンポの良いかけ合いが大石静ならではのリアルな女性心理描写とユーモラスな宮藤官九郎節満載で描かれ、ここ最近の政治風刺を絡めて選挙活動の裏側の人間模様や政治家と国民の向き合い方がリアルに描かれていて、「結婚も政治も失敗しても、もう一度立ち上がっていけば良い」と思える痛快離婚政治コメディドラマ。
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