ひば

ラブ&デスのひばのレビュー・感想・評価

ラブ&デス(2023年製作のドラマ)
4.5
エリザベスオルセンの1秒毎に変わる沈黙の表情1つ1つが見るに値する、口角でもない部分がピクッと動いたりする、どこの筋肉なんだ。いいもん見せてもらっているという気分になります。少しハスキーな声も叫び声も全部素敵だ。一秒前までいつもと一緒みんなと一緒だったのに、一瞬で世界から隔絶されて見る景色が変わる世界観から浮いてるように映る描写がとてもよい。不倫するに至っての明確な目的、条件、経費、戦術、期待値とかがワードに出てくるのおもろ平和なビジネス不倫なんてないだろ結婚生活の不満を埋めるため互いを利用するのは間違いですよ。生々しいマルチバース『ワンダヴィジョン』S2って感じ悪夢。絶妙な吹っ切れ具合がすごいな真顔でめちゃくちゃなこと言ってるのワンダっぽい。問題は夫婦自身なのだから夫婦カウンセラーに行くまでは良いのに、互いの正直な気持ちを手紙にしましょうを実践したとき、すごい素敵な言葉に最初感銘を受けて喜んでたらすぐ好きな歌の歌詞を送られたと気付くのむなしすぎた。君が好きな歌だから…って。唯一無二の相手への言葉は万人に向けられた商品から借りてはいけない…
閉鎖的かつ屈強コミュニティーでお馴染み教会なる舞台設定の強みが効いている、しかしキャンディは保守的女性一辺倒ではない、刺激と変化を求めている。またマスキュリニティを内在した女性でもあり、不倫相手のアランにはいつも主導権を握り陰では侮辱さえする様子はいかに自分がリスクを楽しんでいるか、大物に見せようとしているか、決定的に何かが欠けた道徳心をむしろ誇りに思っているようだ。周りの人間模様も面白く、妻は所有物の認識背景もあるのかなぜか自分を責める『別れる決心』のヘジュンに等しいマッチョじゃない両夫(管理不届ってコト!?しかしむしろ妻に管理されている)!事件について嘘をつかれグリメイスの表情になる親友!平和な街のため経験不足な弁護士!昨日まで世俗だったんか!?新牧師!そして世間が介入することで、華奢で美人で皆に愛される保守的主婦が!不倫相手の妻かつ友人を41回斧で殴り切り刻んだ!アバズレの化け物!と女の貞淑さとスキャンダルさがばちばちに擦すれあった世論の好奇連打花火が打ち上がる…法廷劇に移行すると裁判所の前のテレビでポーズする野次馬とかいて細かいな。
牧師は語る「神による深遠な目的とは同意できない。神がこのような悲劇を望むわけない。これは神の意思ではない。神の意思が人間の行為により妨害された。人間という言葉は優しすぎる、怪物です。このようなことが起きると神のご意思と目的は"究極の意思"へと変化します。この蛮行は非道で邪悪です」、キャンディは語る「聖書には愛のない者は神を知らないとある、神こそが愛、愛に生き亡くなった人々を神の慈悲に委ねます、洗礼でベティがイエスの御霊を着たようにイエスのなかでベティが栄光に包まれますように」
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