東中野

あなたに聴かせたい歌があるんだの東中野のネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

人生に寄り添ってくれる良い作品でした。

もともと燃え殻さんの本が好きだったので試写会に参加させてもらいました。

17歳の時、高校の教室から物語ははじまります。
通常であれば時系列でひとつの視点からストリーが語られますが、この作品は10年後の27歳になった生徒たちの今を描く過程で、同じ教室、同じ出来事を体験しながらもそれぞれの抱える問題や感じ方が様々であるという面白さがあります。

世代ではない私にも懐かしさを感じるキリンジの曲「エイリアンズ」がどの物語でもキーとなります。特に、一人ひとりの物語を見た後に結婚式場で偶然出会った元先生にみんなで歌うシーンはこちらも涙が溢れました。

結婚式場をあとにした4人が「じゃ、また」と言って別れる場面は、ドキュメントをみてるようなリアルさでした。
自分でも何度も体験している、あの別れ際。この結婚式を最後にもう会うことがないかもしれない友人達、一方で本当にまた集まろうと思っている、そんな真逆が混在する想いが表現されていました。あの時、またなと言った私の友人達がいろいろありながらも幸せであることを切に願います。


叶わなかった夢があったっていい
夢がなくたっていい
失敗なんていくらでもしたっていい
なによりも、前に進まず足踏みだけしているのはもったいない。
そう感じられるのはバビロンのママのおかげです。

フィクションなはずなのに、この物語に出てくる登場人物がみんな幸せであってほしいと思います。
東中野

東中野