おれんじ

二十五、二十一のおれんじのレビュー・感想・評価

二十五、二十一(2022年製作のドラマ)
4.6
若い世代から子を持つ世代まで、どの世代でも引き込まれるドラマだったのではないかと思います。
ミンチェが母ヒドの日記を辿る過程を通して、視聴者自身も過去を振り返ったり今を見つめ直したりできるような構成がとても良かったです。

ヒド、第一印象は野暮ったい女の子だなぁと思っていましたが、全身で感情表現する姿、好きなものに邁進するひたむきな姿に魅了されました。女子高生役ハマってました。私も制服のスカート下にジャージ履いてたな笑。キムテリさん、素晴らしかったです。
ナムジュヒョクの巧みな表情の変化はさすが!セリフがなくてもグッとくるものがありました。

ヒドとイジン、最初から惹かれ合うんじゃなくて、一緒に過ごし喜びや苦悩を共有し、信頼関係を築き、時間をかけてこれが愛だと気づくのが良かった。

フェンシングを題材にしたの凄いですね。
審判器のライトの演出は新しくて、鳥肌モノ。マスクで顔見えないからこそ、試合後マスクを取ったヒド、ユリムの表情に胸が熱くなりました。

人に見せない裏側、葛藤している部分の描き方が、今まで見た韓国ドラマの中で抜群によかった。
個人的にはスンワンのエピソードが好き。人生どうにもならない事、理不尽な事ばかり。上手くやり過ごしたり、やりきれない気持ちをコントロールする事も時には必要だけれど、譲れないものがはっきりしているスンワンがすごくカッコ良かった。そんな娘を理解して強い味方になってくれるお母さんも素敵でした。

カメラワークや色を使った演出と相まった映像美はもちろん、何気ない日常を描いた場面全てがキラキラしていました。これはもう主要キャスト5人が生き生きと演じられていたからに尽きる!

10〜20代はじめ、まさに青春してた頃は絶対忘れるはずないって思っていた出来事がたくさんあるはずなのに…ドラマを見ながら自分の輝いていた時期の記憶が若干曖昧になっている事に今さら気付いて、胸がヒリヒリしました。青春と呼べる時期は一瞬だったなぁとつくづく思う。

あの頃の恋や失恋、友情、悩みが今の自分を作ってくれたし、その経験が今までもこれからも支えになっていくんだと教えてくれた素敵な作品でした。
おれんじ

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