ドスティ

ドロップアウト~シリコンバレーを騙した女のドスティのレビュー・感想・評価

3.9
完走。
医療ベンチャー企業セラノス創業者エリザベス・ホームズの詐欺事件は知ってたけど、いかに滅茶苦茶な虚偽と隠蔽が成功したか丁寧に描きアメリカの資本主義の闇が浮き彫りになり、興味深かった。

失敗ではなく被害者のいる犯罪で許せない。

最初は野心に燃え人助けする夢を抱いて邁進する真面目な勉強家だったのに、時代の寵児となって技術より自らを売り込む口先だけで中身が空っぽの危険人物に変貌するエリザベス。
ジョブズに倣った黒いタートルネックで低い声を作り大きな瞳で演じきったアマンダ・セイフライド(サイフリッド?)は天晴れ!

若い女性起業家のサクセスストーリーを利用し結果的に悪影響を及ぼしたのも罪深い。
年上の恋人でCOOサニーとの関係は気持ち悪く不快だったし、老いた金持ち白人男性の投資家たちも問題。

大企業を告発した従業員の勇気は素晴らしいし、権力者の孫でさえ訴訟や脅迫などで追い詰められるのが恐ろしい。

役者は超豪華!
レーガンやニクソンに仕えた元国務長官ジョージ・シュルツ役サム・ウォーターストンは流石の存在感。
裏口入学事件を思い出すウィリアム・H・メイシー、ビッグバン★セオリーのスチュアートやシェルドン母ローリー・メトカーフもいた。

イアン役スティーヴン・フライの切ない演技が秀逸。
ジャーナリスト側の2人は当然応援するし、やり取り含め好き。
ナヴィーン・アンドリュースは役柄が最低でお腹も出てるしカッコ悪かった。

エリザベス・マーヴェルはHOMELANDの大統領が印象的。
アラン・ラックはサクセッションのコナー程バカじゃないけど似たキャラ。
知ってる顔だらけで楽しかった。
ドスティ

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