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らんまんのいのレビュー・感想・評価

らんまん(2023年製作のドラマ)
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普段朝ドラは観ないが、主人公のモデルになった人物(牧野富太郎)に興味があったので視聴。主人公サイドに現代的な感覚を付与したことによる観やすさを感じつつも、西洋化する日本の動揺や、大学の権力と摩擦、女性差別、植民地主義など、登場人物を通して当時の様々な問題と背景が描かれていて、面白かった。何より、植物への愛から様々な障壁を打ち破って突き進む主人公・万太郎の、恐ろしいほどの学問へのひたむきさが衝撃的だが、そんなまごうことなき“天才”である彼の脇を固める登場人物たちがかなり魅力的だった。準主役と言える、生活的にはかなり無力な万太郎を生涯献身的に支えた妻・寿恵子を始め、彼の姉である綾と幼少期お目付役をしていた竹雄、万太郎を帝大に招き入れた帝大の田邊教授、帝大で知り合った藤丸・波多野、画工の野宮、十徳長屋で知り合った面々…など。特に私は、日本であまり植物学が学問として育ってない時期に、地方出身で学歴がないながら取り憑かれたように熱心に植物を研究する主人公に帝大の人達が感化されるような部分が面白かった。学問やりてーとテンション上がる。
中盤までの内容が濃い分、後半で描かれる主人公の晩年が若干駆け足に感じたものの、半年間楽しかった!
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