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軍検事ドーベルマンのhorryのレビュー・感想・評価

軍検事ドーベルマン(2022年製作のドラマ)
3.5
軍検察という馴染みのない設定なんだけど、「悪を暴く!腐敗を暴く!」というストーリー展開なので、分かりやすい。勧善懲悪の物語に、迫力のあるアクションシーンと、オフビートな笑いが入った作品。
軍でのいじめが大きく取り上げられたりしているのですが、ただ、脚本としては一本調子で、キャラクターに深みは感じられなかった。好みが分かれるところだろうけど、惜しい…という感想です。

主役は軍検事のドベマン(アン・ボヒョン)とチャウィン(チョ・ボア)。この二人のアクションシーンがとても良い。特にアン・ボヒョンは、あのでかい体での激しいアクションなので迫力がすごい。
チャウィンは最初から最後までクールな感じなんだけど、ドベマンは中盤からキャラが変わります。序盤の悪役っぷりは、「梨泰院クラス」を思い出させるような感じですごく良かったんですが、チャウィンに協力する(犬になる)感じはイマイチ。実質は対等な協力関係なんだから、チャウィンに従うというキャラ設定は不要だったのではないかな。

もう一つ、ドベマンのキャラで良かったのは、とぼけた感じ。こちらもアン・ボヒョンが得意とする雰囲気で、このおとぼけ感がドラマを魅力的にしていたと思う。
とぼけた感じは悪役側のキム・ヨンミンにもあって、「マイ・ディア・ミスター」での役柄に近いんだけど、今作では憎めない感じになってます。
ただ、やくざや、ドベマンの上司(パク・ジヌ)と姉(カン・マルグム)のおとぼけ感は、あまり面白くなかった。面白かったのは、ドベマンの部下ユン(コ・ゴナン)と退役軍人のラップ対決。めちゃくちゃ面白かったのに、1回だけだったのが残念。もっと見たかった。

この作品で際立ってよかったのは、ノ・テナム役のキム・ウソク。鬼軍人の母親(オ・ヨンス)の支配を受けた坊っちゃんで、序盤ではゴージャスでアホっぽいお坊ちゃまぶりを発揮、入隊してからはいじめられる側、そして母との対決と母への寛容、と成長していく姿が見事でした。
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