トモ

恋に落ちたおひとりさま~スタンダールの恋愛論~のトモのレビュー・感想・評価

4.6
向き合わなくても生きていけるのかもしれないけど向き合う事で知る真実もあって

過去と向き合う事やそれに縛られた自分を変えていくことの痛みを描きながら、大好きな本や心の奥にしまい込んだ思い出に支えられながら出会う人達に刺激されながら少しずつ前に進んでいく主人公を描いた良作です

図書館とそこで働く人と本を作る側の人達を描いた作品だけに刺さる言葉が沢山あります、救われる言葉もあれば今の主人公にとっては変化を求められる踏み込まなくてはならないとてもハードルの高い言葉も

前半のラブコメ風から後半にかけての真相と染みる人間ドラマ、そして尻窄みのない壮大なラスト、原作は違うけど同じ前田哲監督の「そして、バトンは渡された」に構図が似ていて結果的にとても好きな作品

あと細かな拘りも沢山散りばめられている。例えば久々に帰省した時の格好、今まで繊細に葛藤を描いてたのに地元の人からしたら印象違って見えるよな笑

敢えて突っ込むなら主人公の葛藤に対して際立ってしまった周りの人達の変化(やな奴→いい奴)が急激で安易なところ。ただ良くも悪くも主人公が変わる上で不可欠な人達

ラブコメも人間ドラマも幅広くこなす波瑠さん、しかしやはり人間ドラマを演じる波瑠さんは本当に素晴らしい

瀬戸康史さんも台詞回し含め最高

最初ワッキー??かと思ってたスタンダール小日向さんも重要人物だし、この人から発せられる名言が多い

尾美としのりさんの安定感や人物像が掴めない馬場園さん、キャラ強い池内博之さんもちょいちょい仕掛けてくる山内さんも良かった

あと主題歌もかっこいい!
トモ

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