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ダブルのpokotanのレビュー・感想・評価

ダブル(2022年製作のドラマ)
3.9
役者とは。演じることとは。
役者は、1人では生きていけない。
ただ、一緒にも生きていけない。
ふと心に残る言葉が印象的だった。

多家良と友仁。一心同体。
代役は出来ても、多家良にはなれない。
多家良も友仁を裏切ることで完成する。

憧れの黒津監督から友仁と考えた演技を異物だと言われ全否定されることで、友仁からの呪縛から解放される。
そして、友仁の本心を理解する。
溝が生まれ、関係に歪が生じていく。
成功する者。夢を諦める者。
「気楽だろ。逃げれる場所が1個あると」
あぁ、この言葉分かるなぁ。

多家良の元に、友仁がまた目の前に現れることで、多家良の気持ちが揺すぶられる。
友仁の背中を追い、恋愛感情もある役者としての憧れ。
8話の告白するシーンの2人がすごく好きだった。
ラストで2人が本心を曝け出す。

舞台稽古で上手くいかなくて抜けるときも、稽古ぶっちしたときも、あれだけ迷惑をかけておいて、まず最初の一言が「芝居やらせて下さい」って、普通まず謝るだろ、多家良。
そこは気になった。

あと、多家良役が千葉雄大なのも、嫌いじゃないし悪くはないんだけど、もっと上手い他の役者のほうが良かったんじゃないかと思ったり。

とはいえ、この依存する関係性が見事に描かれていて、脚本が上手く、なかなか面白かった。

永山絢斗、償ってちゃんとまた役者に戻ってこいよ。
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