ローリエ

WE OWN THIS CITY -不正と汚職が支配する街-のローリエのレビュー・感想・評価

4.0
オープニングの「まるで1930年代のマフィアだ」というフレーズがそのままの、恐喝集団と化した警察の実態をリアルに描いた作品。
不正に手を染める警官たちが三者三様に描かれていますが、やはり悪事にあまり罪悪感を感じず、自分は悪人ではないと疑っていない主人公(ジョン・バーンサル)の感性が鈍化したかのような人物描写が素晴らしいです。

ジョン・バーンサルは勿論、今までの役とはだいぶイメージが変わったジョシュ・チャールズの不快感たっぷりのマッチョ白人ぶりもいい。
そして個人的にはメインキャスト入りして出番の多かったドン・ハーヴェイ。いつもなら不正をする側ですが、今回は追い詰める側。抑えた演技で、無表情の中に中年の疲労感を背中に出して、とても印象深かったと思います。この作品が忙しくて「ベター・コール・ソウル」を断ったとのことなので、これで注目されれば。