よふかし

初恋の悪魔のよふかしのネタバレレビュー・内容・結末

初恋の悪魔(2022年製作のドラマ)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

面白かったー!「蛇女」が星砂のもう一つの人格で、兄に会ったことがあるって分かってから加速度的に面白くなった!
謎解きっぽいことはしてるけど、ミステリというよりは群像劇かな。事件の結末とか判決とか描かれないし、この四人が出会い、それぞれの過去と向き合って前に進むまでの物語。変な人たちだったけど、最終話では愛着しかなかった。

悠日が亡くなった兄に電話をかけるシーンと星砂がカーテンの付け替えをしてるシーンとラストの「蛇女」と鹿浜さんの別れのシーンが好き。チェリー熱唱シーンも好き!

「綺麗事は初めは綺麗じゃなかった。綺麗事を口にする人って泣いてきた人だと思うんです」
これさあ、全世界の綺麗事論者が救われたでしょ😭

最終話、復讐として殺そうとした鹿浜さんが失恋した形になって、星砂やみんなの無事を確かめようとした悠日は恋が実るの、グッと来た。法治国家において、「殺人犯に復讐できる機会は今しかない」っていう理性的で冷酷な判断にゾクっとするし、それを為そうとするのが心の機微に疎くて神経質な鹿浜さんってのがね〜……〝変化〟を最も感じる。
そして、そうはならなかった、星砂たちは生きてて優しい鹿浜さんが罪を犯さずにすんだっていうのがこの物語の最大の救いかもな。

「世界から暴力や悲しいことは消えない。大事なことは、世の中はよくなってるって信じることだって」と言う「蛇女」と、
「大事なのは、ちゃんと自分のままでいることだって」と言う鹿浜さん。
蛇女ちゃんは自分のままではいられない存在だし、鹿浜さんは復讐しようとしたし世の中はよくなってるって信じられていない人。自分に言い聞かせるように言った言葉が相手の最も弱いところなの良いな。
特に、「ちゃんと自分のままでいること」についてはこれまでも何度も描かれていて、「いつかそんなありのままの自分を好きになってくれる誰かに出会えるから」って意味なの大好き。蛇女ちゃんは、やっと出会えた「誰か」だったのにね。さみしいね…

「ありがとう!ありがとう!僕はもう大丈夫です!」
なのに鹿浜さんはこう告げる。悠日の「根拠のない大丈夫は、優しさでできている」を思い出した。鹿浜さんの優しさに涙😢

なんか言い足りない気がするけど、あんまり冗長なのもよくないので、このへんで。
「マーヤーのヴェールを剥ぎ取るんだ!」
良いドラマでした!
よふかし

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