みほみほ

ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋のみほみほのレビュー・感想・評価

3.7
(吹替)

「ロット36」「墓場のネズミ」「解剖」「外見」「ピックマンのモデル」「魔女の家での夢」「観覧」「ざわめき」からなる全8エピソード。

「解剖」までは面白くてサクサク観れたけど、「外見」以降は失速してしまってあまり気が進まなかったので他のドラマに浮気しつつ、ようやく完走出来た。

「ロット36」…俳優さんが独特で良い。「バスターのバラード」での印象と重なり、際立つ奇妙さが好き。シンプルで始まりにGood✨

「墓場のネズミ」…色々ごちゃ混ぜになってぐちゃぐちゃしてたけど、単純に状況が怖くて不条理系で後味が悪くて好き。因果応報。

「解剖」…これが一番面白かった。奇妙な冒頭からは想像もつかない方向性に転がり不安になったところを突き抜けてくれる。胸糞悪いラストが多い中で、ある意味勝利する希望の回。

「外見」…元々綺麗な人をブサイクに見せてることは分かりつつも、奇妙さを引き立てる主人公が印象的。最後の劇的ビフォーアフターは面白いけど、どれだけ肯定してくれる配偶者がいようとも今の自分を愛せない愚かさは自分の内面とも重なり、美への執着だけでなく人間の欲望を考えさせられるストーリーだった。本当の幸せってなんだろうな。

「ピックマンのモデル」…世界観やら魔女のビジュアル面などでは一番しっかりした怖さがあり良かったのだが、どこか退屈してしまう。しつこいけど恐怖のビジュアル面は一番クオリティ高い。

「魔女の家での夢」…ハリーポッターシリーズのロンことルパート・グリントの新たな可能性を感じさせてくれた。先日、シャマラン最新作でも彼を見たけど、この手の役でキャリアを重ねていって欲しい。ロンとは別人にちゃんと見えたし、ルパート・グリントが俳優として良かった。ストーリー自体は微妙だった。

「観覧」…自分の集中力の問題ではあるが、あそこにたどり着くまでが長い。でもラストスパートは気持ち悪くて大好き。うん、それにしてもやっぱり長い…笑 大人しめの女性のハードな運転のギャップが良かった。

「ざわめき」…最終話には相応しい湿っぽさと味わいがあったけど、子を失った苦しみを抱える夫婦と幽霊屋敷の組み合わせってありがちなので新鮮味はなかった。雰囲気良い。アンドリュー・リンカーンをTWD以外で観れるのは嬉しかったし、全く違う役柄で穏やかで繊細な顔つきを味わえたのが良かった。ありがちと書いたものの、家での怪奇現象とそれに対する夫婦の温度差など演出が映画さながらで静かに没頭できた。


感想はこんな感じでしたが、「解剖」がダントツ最高でした。大抵クリーチャーか悪魔か魔女かが登場する点では被ってましたが、前半は結構楽しめた。
後半は全体的に長めなのがな…不条理系ホラーファンタジーだし、各話45分くらいなら集中力も途切れず良かったのにと思う。

「ギレルモ・デル・トロの脅威の部屋」なのに、本人が全然監督してないじゃんと思ってたら、ストーリーテラーがギレルモ・デル・トロだった事を知り驚いた。イメージと全然違ったけど、なんだか好印象で安堵感のある人物だった。
みほみほ

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