マツタヤ

シックス・フィート・アンダー シーズン3のマツタヤのレビュー・感想・評価

4.5
毎回オープニングで人が死ぬこの演出なんだけど、製作陣もよくこれだけの色々なパターン考えつくよね。見る側としても、どれが1番印象に残った死なのか、見たことある人がいたら当てっこゲームしたいくらいだ。

例えば途中で観るの止めて、次の日とかにその続きを見たりする時、このオープニングで人が死ぬシーンでどんな人が死んだか忘れちゃう時があるけど、そんな時でも頭をフル回転させて思い出すまでその先を見ないというよくわからない一人ゲームを毎回自分に課している。

人は遅かれ早かれ死ぬ。このドラマのような死に方をする可能性もある。でもこのドラマの死に方はその殆どが予期しない死だ。実際の割合もそうなのかなあ?

ドラマの中で主人公のネイトが言うセリフ「生きていくことは大変なことだ」があるけれど、散々な死に様を見せつけられている中で、生きることもそれ事態、大変で散々だったら人生って結局なんなんだろうか?

死んでも大変、生きても大変、んじゃあ大変な人生を受け止め生き続けることで、もしかして大変な死そのものを受け入れられることへの、大変さに対する耐性にむけた鍛錬を積むことに繋がるのかもしれない、とか思ったり。受け止められない時に、人は時には逃げても良いだろうけど、逃げ続けたら死をも受け止められなくて死から逃げたくなるんだけど、人間だれしも死から逃げられないわけでそんなとき人はどうなってしまうのかなあ、とかとか。

とにもかくにもフィッシャー家見てると、全然幸せそうじゃなさそうなんだけど、とはいえ死んだら寂しいんだよね、そんぐらい愛着が湧いてきてしまっている。死が現実にそこにあって死と隣り合わせなドラマだからなおのこと。そんなさまざまな死をフィッシャー家とともに経験し受け止め、時には逃げ出したり乗り越えていくドラマ。葬儀屋が主人公なだけに人が死んだ後をこれほど繰り返し丁寧に描いた作品はそうそう無いはずだ。
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