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ウ・ヨンウ弁護士は天才肌のioのレビュー・感想・評価

ウ・ヨンウ弁護士は天才肌(2022年製作のドラマ)
5.0
第1話でオープニングムービー観た瞬間から、これはきっと好きなやつ!と直感で思ったドラマ。最後まで観てもやっぱり素敵で、素晴らしいドラマでした。

優しくあたたかい作風ながら、社会を捉える眼差しは広く深く厳しい。ウヨンウの奮闘を見守るヒーリングドラマでありながら、法の世界から多くを語りかける社会派ドラマ。 

私が特に好きなエピソードは、自閉スペクトラム症の多様さと障害者への厳しい眼差しを描いた3話「ペンスでいきます」。障害者-健常者間の恋愛と、伴う責任を描いた10話「手をつなぐのはまた今度」。女性の団結力と朗らかさに勇気づけられ、仕事の価値を考えさせられた12話「ヨウスコウカワイルカ」。

原告被告の異なる立場からなる議論を見せることで、社会問題の複雑さを浮かび上がらせる。各人や社会の深層にある心理やものの見方を捉え、わかりやすく提示していくのには、法廷ドラマってぴったりなんだなぁと思うなどしました。

ハンバダメンバーも何重にも重なる心情を抱えていて(常に1位のヨンウにイラつきながらも助けずにはいられなかったチェスヨン。ヨンウを天才だと認めているからこそ疎ましかったクォンミヌ。)その複雑さ、奥行きが人間であり社会。弁護士として、正義をとるか利益をとるか悩む場面も多かったけど、決して綺麗事だけでは片付けられない現実を、真摯に描いていたドラマだと思います。それがエンタメとして愛されているんだから本当にすごい。

今作、台詞の美しさ、言葉選びの楽しさも際立ってたと思う。ドタバタウヨンウ(우당당탕 우영우)腹黒策士クォンミヌ(권모술수 권민우)と韓国語の音で遊んでいる呼び名に対し、春の日差しチェスヨン(봄날의 햇살 최수연)という直球を持ってくる展開に感動しながら拍手。“우 to the 영 to the 우”の挨拶はキャッチーで楽しいし、触っても良いですか?の場面でのイジュノ”섭섭한데요”は衝撃がすごかった。

キャラクター、俳優陣に関しては、カンギヨン氏演じるチョンミョンソク弁護士のファン。会話での絶妙な間合いがツボだし、仕事ができる上司でありながら人間らしさが滲んでいて目が離せない。シーズン2でも、みんなと元気でまた会いたい。

「私の人生はおかしくて風変わりだけど、価値があって美しい」

そう言い切ったヨンウのように、私も自分に対してそう断言できる私でありたい。そして、どんな人に対しても「あなたには価値があって美しい」そう言い合える社会であってほしい。

【2022.09.07 2周目完走】
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