ガルベス

エルピス—希望、あるいは災い—のガルベスのレビュー・感想・評価

4.4
「その街のこども」、「今ここにある危機とぼくの好感度について」の渡辺あや脚本なので初めから見ることを決めていたが、地上波ドラマであるにも関わらず攻めに攻めた内容で恐れ入った。

でありながらもシリアス一辺倒に堕さず、緩急が効いていて熱さもあってドラマとしてすこぶる面白い。

落ち目の元花形アナウンサーが再起を誓い、挫けそうになりながらも闘う意志を崩さない主人公を長澤まさみが見事過ぎる名演。同世代の女優よりも頭一つ、二つ抜きん出た存在になっているのかも。

世間知らずで当初はコメディリリーフ的役割だったが通過儀礼を経るごとにやさぐれ変貌していく眞栄田郷敦、夜郎自大なクソプロデューサーかと思いきや最終的には最も存在感を発揮してしまう岡部たかしも素晴らしく、一人の人間の中にある清濁を描いていて常に見応えがあった。

最終話の長澤まさみの長台詞がいかにも渡辺あや作品って感じで、震えるほどに感動してしまった。
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