日本中が知っている出来事。東日本大震災時の福島第一原子力発電所の事故だ。Fukushima50では現場の運転員たちの活躍が中心であったが、この映画では、現場、政府、犠牲となった家族、それぞれに焦点があてられ丁寧に描かれている。8話あるが、2日間かけて見た。
限られた情報しか無かった中で、それぞれの立場の人達が賢明に行動していたことがわかる。映画の中の台詞にもあるが、想定外の出来事にマニュアルは通用しない。何が悪い、誰が悪いといった単純な話ではないことがよくわかる。映画の中でも間違った情報でマスコミやSNSで見当違いの批判をしている様子も描かれている。犠牲になった2名の運転員があろうことか操作ミスで逃げた、などというデマもあったらしい。これに限らず、自分も含めて、不確実な情報で間違った印象を持ってしまった人もいたのではないか。
ナレーションでも語られるが、この出来事は「過去に語り継いでいかなければならない」。廃炉まではまだ30年近くかかるとか。まだ終わったことではない。まして、なぜ原発の暴走が止まったのか、未だに原因がわかっていないという。単純に原発反対とかだけでなく、人間の活動すべてが果たして今のままでよいのかと改めて考える。
人間は自然に対してはあまりに無力。コロナウィルス感染症しかり。それは天災でもあり、人災でもあるように思う。
