鮮明に、遠くから傍観だけしていた当時の記憶が蘇る。相当覚悟して何かを受け取る覚悟がないと、簡単に、制作サイドの圧に踏み潰されるのでおすすめできない。
組織論や政治、マネージメントや危機管理など、意図して盛り込んだわけではなと充分に感じ取れるだけの多面性と、おそらくそれを支えるために
綿密に行われただろう取材をひしひしと感じ取れる進行に引き込まれて、戻れなくなりそうになる。
不謹慎ながら、監督陣にみるドキュメンタリーとホラーの側面は、こういう文脈には、非常に相性がいいのは定石なのだろうと感じざるを得ない。内蔵を削り取られそうな緊張がそこにあって見事な演出でした。
あとは、「新聞記者」しかり、この類の題材は国産じゃ無理かね、もう。すんごい心配。劇中の台詞にもあるけど、当事者の責務を受け入れる器はどこにもないのかと。
とにかく、当時の記憶とリンクして日常への感謝でいっぱいになるのが唯一の希望にしてまだ、復興してない自分を感じざるを得ない。
