あきたねる

三体のあきたねるのレビュー・感想・評価

三体(2023年製作のドラマ)
3.7
原作既読。
世界観はしっかり三体だし、名前や人種は違えど人間関係も原作をなぞっているのがわかる。ハードカバー5冊分を8話構成に練り直したのだから仕方ないけど、結構あっさりしちゃったなと思った。オンラインゲームの話とか審判の日とか階梯計画とかもっとじっくりやってほしかった。
でもVRゲーム上の人間コンピューターの描写は圧巻だった。原作にも印象に残るシーンだったので感激。

ネトフリ版のウィル周りの友情とも恋愛とも取れる関係性がかなり良くて、とくに7、8話は感動した。童話が好きなところも、匿名でジンに星を送るところも、「世界に忠誠を誓うのではなくジンに忠誠を誓う」と言って階梯計画に参加するところも、原作での展開を想起させてくれて良かった。
原作者の劉慈欣はよく「夜の大海を彷徨う小舟が一筋の光を放つ灯台を目指す」ような言い回しをするのだが、ウィルの心象風景がそのままのそれで大興奮。さすが劉慈欣本人に協力の声をかけているだけある。

ラストがこの引きだとシーズン2がありそうな気もするが・・・