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根の深い木~世宗大王の誓い~のhorryのレビュー・感想・評価

4.5
面白かった!
4代王の世宗イ・ド(ハン・ソッキュ)のハングル創生がストーリーのメイン。そこに秘密組織の密本が関わってくる。
先に「六龍が飛ぶ」を見ていたので、時代背景やキャラクターの関係を理解しやすかった。

世宗は「民は国の根であり、根がしっかりしていてこそ平安な国となる(백성은 나라의 근본이니 근본이 튼튼해야 나라가 평안하게 된다)」という言葉を残した王で、民が文字を読めるようになることで、政治を監視する力を持つと考える。
一方、密本と儒教者は、儒学(性理学)に則り、民に文字を教えることは政治的混乱を招くと主張。賤民という厳しい身分制度がある中で、文字を読めるようになっても、民が支配されることにかわりはないのだから、世宗の考えは民を思ったものではないと批判する。

ハングルをめぐって、権力と身分制度、民の自律的な生きる希望(「欲望」と表現されていた)が論じられるあたりは、めちゃくちゃ面白い。

もう一つの面白いラインは、文字創生に深く関わった女官ソイ(シンセギョン)と幼なじみのトルボク(チャン・ヒョク)のストーリー。トルボクは父の復讐を果たすために世宗を狙っていたのだけど、ソイの文字を通した「希望」を聞き、ソイのために恨みを乗り越え文字創生に奔走する。

ハン・ソッキュとチャン・ヒョクの演技が凄すぎて、画面の圧が半端ない。圧巻。
世宗の護衛武官のムヒョル(チョ・ジヌン)、密本のリーダーのチョン・ギジュン(ユン・ジェムン)の存在感もすごかった。

密本の殺し屋がイ・スヒョクで、無表情なまま殺しまくるのは格好よかったんだけど、もうちょっとキャラクターのエピソードが欲しかった。

世宗の若い頃をソンジュンギ、トルボクの若い頃をヨ・ジング、チョン・ギジュンの若い頃をチェウシクが演じていて豪華でした。
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