Uえい

マスクガールのUえいのレビュー・感想・評価

マスクガール(2023年製作のドラマ)
3.5
これは面白すぎる。雰囲気からだと内容が分かりにくいので、とにかく見て!としか言えない。

アイドルになるのが夢だった主人公のキム・モミは、不細工だったために夢を諦め、会社員として働いていた。しかし、夜は顔をマスクで隠して配信を行い、マスクガールとして有名になっていた。

1話ごとに登場人物が変わっていく。序盤はモミ、同僚のオナム、そしてその母と視点を変えながら話が少しづつ前進していく。そこではブラックコメディを交えながら、モミの失恋と事故をきっかけに殺人を犯してしまう様子が描かれる。きっかけは少しの悪意によるものだが、ルッキズムや、女性への性的搾取など、これまでの人生で募った不満が爆発してしまう。これは、社会派な韓国ドラマらしさがあった。

中盤は一転して、逃亡するモミと、息子を殺され復讐のために追跡するオナムの母のサスペンスになる。「母なる証明」の様な息子を理解しようとする母の姿と、パクチャヌク監督作品のようなゴリゴリの復讐劇は、役者の力もあってか、惹きつけられた。

その後、モミは服役し、今度は女囚ものに変わる。ジャンルがコロコロ変わるので飽きない。並行して、モミの娘も描かれ、クライマックスの舞台に向かって話が収束していく。最後の舞台は「地球を守れ!」に似ていた。娘がすんなり母を受け入れたのが納得しきれなかったが、誰もが持つ社会への不満から、ここまで話を展開をさせるのは凄すぎた。

ルッキズムを扱いつつ、整形をする目的が逃亡のためというのも皮肉がきいて面白かった。
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