このレビューはネタバレを含みます
イッセー尾形さんが出てきた話が印象的だった。
看板をかけず、安い費用で中絶処置をしてくれる産婦人科。
中絶をしに来る人は、それぞれ事情や傷を抱えてやってくる。昔に中絶の事情を聞いた女子高生が自殺してしまってから、事情をあれこれ聞かずに、実家のように温かく向かい入れて、手術するようになった。
中絶の問題を語るには、腹の子の命を守ることも大切だが、母親の人生も同様に大事だということを考えないといけない。
このドラマを通じて、子を産むことは、ただ子を産むということではなくて、母親となり、1人の人間を育てるということ、時には仕事と引き換えに子供に時間を割り当てること等、人生設計を大きく変えることなのだと分かった。
中絶を禁止する国もあるが、中絶を禁止すると、女性の人生を守ることはできなくなる。
相手の男は逃げるだろうし、女手一つで金を稼いで子を育てることは難しい。
ドラマの中でも、「腹の子の命を奪うのは苦しいし辛い、もう二度とこんなことしたくない」と中絶する女性は言っていた。本人は苦しいながらも、自分の人生と天秤をかけて選んだ中絶。
その人らを救うために、何も聞かず手術してくれる医者は立派だと思った。